ACSAPI

ACSAPIは、ACS(Application Control Support system)アプリケーションプログラムでメッセージを処理するための機能です。本付録では、現在OpenFrame AIMがサポートしているACSAPIの各コマンドと使用方法について説明します。

1. MSGGET

MSGGETはワークステーションで入力されたメッセージを受信するコマンドとして、受信メッセージがアプリケーションプログラムの入力メッセージ領域に通知されます。

以下は、ACSAPIコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 SYNC-DCOM.
   COPY COBSDCOM.

01 IN-DATA.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 128.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 0.
   02 DATA           PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.

01 ACSSPA            PIC X(128).
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING MSGGET SYNC-DCOM IN-DATA ACSSPA.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' MSGGET, DCOM, 入力メッセージ領域[, ACSSPA].
  • パラメータ

    以下は、MSGGETコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    MSGGET

    MSGGETコマンドのマクロ値である「MSGGET」を指定します。

    DCOM

    アプリケーションプログラムのAPI通信領域としてSYNC-DCOMとASYNC-DCOMのいずれかを指定します。

    • SYNC-DCOM : 制御権がある通信の場合に指定します。アプリケーションプログラムに必ず1つ以上含める必要があります。

    • ASYNC-DCOM : 制御権がない通信の場合に指定し、必要なだけ記述します。

    入力メッセージ領域

    AIMから受信したデータを格納するメッセージ領域名を指定します。

    SPA

    SYNC-DCOMを使用する場合、SPAデータを格納する領域名を指定します。

    • SYNC-DCOMの場合、SPA領域は省略できます。

    • ASYNC-DCOMの場合、SPA領域を指定できません。

2. MSGPUT

MSGPUTは、アプリケーションプログラムで処理したメッセージをワークステーションに送信するコマンドです。アプリケーションプログラムの出力メッセージ領域に格納された内容がワークステーションに出力されます。

以下は、MSGPUTコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 SYNC-DCOM.
   COPY COBSDCOM.

01 OUT-DATA.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 128.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 0.
   02 DATA           PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.

01 ACSSPA            PIC X(128).
...
PROCEDURE DIVISION.
    MOVE     SPACE   TO    SMODE  OF SYNC-DCOM.
    MOVE     SPACE   TO    OPTC   OF SYNC-DCOM.
    MOVE    'FMT001' TO    FMID   OF SYNC-DCOM.
CALL 'ACSAPI' USING MSGPUT SYNC-DCOM OUT-DATA ACSSPA.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' MSGPUT, DCOM, 出力メッセージ領域[, ACSSPA].
  • パラメータ

    以下は、MSGPUTコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    MSGPUT

    MSGPUTコマンドのマクロ値である「MSGPUT」を指定します。

    DCOM

    アプリケーションプログラムのAPI通信領域としてSYNC-DCOMを指定します。

    • SYNC-DCOM : 制御権がある通信の場合に指定します。

    • ASYNC-DCOM : 制御権がない通信に指定するため、使用してはなりません。

    出力メッセージ領域

    送信するデータが格納されているメッセージ領域名を指定します。

    SPA

    SYNC-DCOMを使用する場合、ワークステーションに送信するSPAデータ領域の名前を指定します。

    • SPA領域は省略可能です。

    • セッションの終了時、DCOMのSPALに-1を設定します。

3. SWITCH

SWITCHは、アプリケーションプログラム間の通信を行うコマンドです。アプリケーションプログラムの出力メッセージ領域の内容が他のアプリケーションプログラムの入力メッセージ領域に送信されます。

以下は、SWITCHコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 SYNC-DCOM.
   COPY COBSDCOM.

01 OUT-DATA.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 128.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 0.
   02 DATA           PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.

01 ACSSPA            PIC X(128).
...
PROCEDURE DIVISION.
    MOVE    'APL001'  TO    NAME  OF  SYNC-DCOM.
    MOVE     24       TO    MSGL  OF  SYNC-DCOM.
    MOVE    SPACE     TO    OPTC  OF  SYNC-DCOM.
CALL 'ACSAPI' USING SWITCH SYNC-DCOM OUT-DATA ACSSPA.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' SWITCH, DCOM, 出力メッセージ領域[, ACSSPA].
  • パラメータ

    以下は、SWITCHコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    SWITCH

    SWITCHコマンドのマクロ値である「SWITCH」を指定します。

    DCOM

    アプリケーションプログラムのAPI通信領域としてSYNC-DCOMとASYNC-DCOMのいずれかを指定します。

    • SYNC-DCOM : 制御権がある通信の場合に指定します。

    • ASYNC-DCOM : 制御権がない通信の場合に指定します。

    出力メッセージ領域

    送信するデータが格納されているメッセージ領域名を指定します。

    SPA

    SYNC-DCOMを使用する場合、SPAデータを格納する領域の名前を指定します。

    • SYNC-DCOMの場合、SPA領域は省略可能です。

    • ASYNC-DCOMの場合、SPA領域を指定できません。

4. VGET

VGETは、アプリケーションプログラムでVSAMデータセット・レコードを入力するコマンドです。現在は、キー順データセット(KSDS)のみをサポートしています。

以下は、VGETコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 VCOM.
   COPY COBVCOM.

01 DD-NAME           PIC X(8) VALUE 'VSAMDAT '.
01 INPUT-DATA.
   02 IN-KEY.
   02 IN-DATA           PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
    MOVE    'DIR'    TO    VOPTCD02.
    MOVE    'KEQ'    TO    VOPTCD05.
    MOVE    'FWD'    TO    VOPTCD09 .
    MOVE     200     TO    VAREALEN.
    MOVE     9       TO    VKEYLEN.
CALL 'ACSAPI' USING VGET DD-NAME VCOM INPUT-DATA IN-KEY.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' VGET, DD名, VCOM, 入力レコード名[, アクセスキー].
  • パラメータ

    以下は、VGETコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    VGET

    VGETコマンドのマクロ値である「VGET」を指定します。

    DD名

    アクセスするデータセット名を指定します。8バイトの文字列で、空白を含むことができます。

    VCOM

    VCOM通信領域(VSAM Communication Area)の名前を指定します。

    入力レコード名

    VSAMデータセットから読み込んだデータを格納する入力レコード領域の名前を指定します。

    アクセスキー

    アクセスキーが格納されている領域の名前を指定します。

5. VPUT

VPUTは、アプリケーションプログラムでVSAMデータセット・レコードを出力するコマンドです。

以下は、VPUTコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 VCOM.
   COPY COBVCOM.

01 DD-NAME           PIC X(8) VALUE 'VSAMDAT '.
01 OUTPUT-DATA.
   02 OUT-KEY.
   02 OUT-DATA       PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING VPUT DD-NAME VCOM OUTPUT-DATA OUT-KEY.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' VPUT DD名, VCOM, 出力レコード名[, アクセスキー].
  • パラメータ

    以下は、VPUTコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    VPUT

    VPUTコマンドのマクロ値である「VPUT」を指定します。

    DD名

    アクセスするデータセット名を指定します。8バイトの文字列で、空白を含むことができます。

    VCOM

    VCOM通信領域(VSAM Communication Area)の名前を指定します。

    出力レコード名

    VSAMデータセットに保存する出力レコード領域の名前を指定します。

    ACCESS-KEY

    アクセスキーが格納されている領域名を指定します。

6. VPOINT

VPOINTコマンドは、レコードを順次処理する場合(VOPTCD02=SEQ)、処理の開始位置を事前に指定し、その位置から順にレコードを処理するために使用されます。ユーザーは、指定したキーに対して完全一致(VOPTCD06=FKS)または部分一致(VOPTCD06=GEN)の方式を選択できます。

以下は、VPOINTコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 VCOM.
   COPY COBVCOM.

01 DD-NAME           PIC X(8) VALUE 'VSAMDAT '.
01 VSAM-DATA.
   02 VSAM-KEY        PIC X(8).
   02 VSAM-DATA       PIC X(72).

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING VPOINT DD-NAME VCOM VSAM-KEY.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' VPOINT DD名, VCOM, アクセスキー.
  • パラメータ

    以下は、VPOINTコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    VPOINT

    VPOINTコマンドのマクロ値である「VPOINT」を指定します。

    DD名

    アクセス対象のデータセット名を指定します。8バイトの文字列で、空白を含みます。

    VCOM

    VCOM(VSAM-Communication Area)の領域名を指定します。

    ACCESS-KEY

    アクセスキーが格納されている領域名を指定します。

7. VENDREQ

VENDREQコマンドは、VSAMの順次検索処理時に設定されたレコード位置を解除するために使用されます。VENDREQを指定すると、順次検索(VOPTCD02=SEQ)に対して現在のレコード位置の設定が解除され、初期位置にリセットされます。

以下は、VPUTコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 VCOM.
   COPY COBVCOM.

01 DD-NAME           PIC X(8) VALUE 'VSAMDAT '.
01 OUTPUT-DATA.
   02 OUT-KEY.
   02 OUT-DATA       PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING VENDREQ DD-NAME VCOM.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' VENDREQ DD名, VCOM.
  • パラメータ

    以下は、VENDREQコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    VENDREQ

    コマンドのマクロ値である「VENDREQ」を指定します。

    DD名

    アクセス対象のデータセット名を指定します。8バイトの文字列で、空白を含みます。

    VCOM

    VCOM(VSAM-Communication Area)の領域名を指定します。

8. DSREAD

DSREADは、アプリケーションプログラムでBDAMデータセット・レコードを入力するコマンドです。

以下は、DSREADコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 DD-NAME           PIC X(8) VALUE 'BDAMDAT '.
01 IN-DATA.
   02 DATA-F           PIC X(128).
01 DD-ADDR             PIC 9(8) COMP.

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING DSREAD DD-NAME IN-DATA DD-ADDR.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' DSREAD, DD-NAME, 入力データ領域名, RBN.
  • パラメータ

    以下は、DSREADコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    DSREAD

    DSREADコマンドのマクロ値である「DSREAD」を指定します。

    DD-NAME

    処理するBDAMデータセットの名前を指定します。

    入力データ領域名

    BDSMデータセットから読み込んだデータを格納する入力データ領域の名前を指定します。

    RBN

    RBN(Related Block Number)の値を指定します。

9. DSWRITE

DSWRITEは、アプリケーションプログラムでBDAMデータセット・レコードを出力するコマンドです。

以下は、DSWRITEコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 DD-NAME           PIC X(8) VALUE 'BDAMDAT '.
01 OUT-DATA.
   02 DATA-F           PIC X(128).
01 DD-ADDR             PIC 9(8) COMP.

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING DSWRITE DD-NAME OUT-DATA DD-ADDR.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' DSWRITE, DD-NAME, 出力データ領域名, RBN.
  • パラメータ

    以下は、DSWRITEコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    DSWRITE

    DSWRITEコマンドのマクロ値である「DSWRITE」を指定します。

    DD-NAME

    処理するBDAMデータセットの名前を指定します。

    出力データ領域名

    BDAMデータセットに保存する出力データ領域の名前を指定します。

    RBN

    RBN(Related Block Number)値を指定します。

10. URGPUT

URGPUTは、ワークステーションに緊急メッセージを出力するコマンドです。アプリケーションプログラムの出力メッセージ領域の内容がワークステーションに送信されます。

以下は、URGPUTコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 ASYNC-DCOM.
   COPY COBSDCOM.

01 OUT-DATA.
   02 PUT-MSG           PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
    MOVE    SPACE      TO  OPTC OF ASYNC-DCOM.
    MOVE    'FMT001'   TO  FMID OF ASYNC-DCOM.
    MOVE    'WS0001'   TO  NAME OF ASYNC-DCOM.
CALL 'ACSAPI' USING URGPUT ASYNC-DCOM PUT-MSG.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' URGPUT, DCOM, 出力メッセージ領域名.
  • パラメータ

    以下は、URGPUTコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    URGPUT

    URGPUTコマンドのマクロ値である「URGPUT」を指定します。

    DCOM

    アプリケーションプログラムのAPI通信領域としてASYNC-DCOMを指定します。SYNC-DCOMは使用できません。

    出力メッセージ領域名

    緊急メッセージが保存されている出力メッセージ領域の名前を指定します。

11. ACSEXT

ACSEXT(またはXTRNAL)は、他のACSまたはAIMシステムのアプリケーションプログラムにメッセージを送信するためのコマンドです。

以下は、ACSEXTコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 ASYNC-DCOM.
   COPY COBSDCOM.

01 OUT-DATA.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 128.
   02 FILLER         PIC S9(5) COMP VALUE 0.
   02 DATA           PIC X(128).

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
    MOVE    SPACE    TO  NAME  OF ASYNC-DCOM.
    MOVE   'APL001'  TO  SNAME OF ASYNC-DCOM.
    MOVE    128      TO  MSGL  OF ASYNC-DCOM.
    MOVE    SPACE    TO  OPTC  OF ASYNC-DCOM.
CALL 'ACSAPI' USING ACSEXT ASYNC-DCOM OUT-DATA.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' ACSEXT(またはXTRNAL), DCOM, 出力メッセージ.
  • パラメータ

    以下は、ACSEXT(またはXTRNAL)コマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    ACSEXT (またはXTRNAL)

    ACSEXTコマンドのマクロ値である「ACSEXT」、またはXTRNALコマンドのマクロ値である「XTRNAL」を指定します。

    DCOM

    アプリケーションプログラムのAPI通信領域としてASYNC-DCOMを指定します。SYNC-DCOMは使用できません。

    出力メッセージ

    他のシステムに送信するメッセージが保存されている出力メッセージ領域の名前を指定します。

12. ACSNOTE

ACSNOTEコマンドは、アプリケーションプログラムの異常終了出口ルーチンで使用されます。異常出口ルーチンは、異常の原因を分析するための情報を通知します。

以下は、ACSNOTEコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
01 ABEND-DATA.
   02 APLNAME          PIC X(8).
   02 FILLER           PIC X(4).
   02 ABEND-LIMIT      PIC 9(02) COMP.
   02 ABEND-COUNT      PIC 9(02) COMP.

   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING ACSNOTE ABEND-DATA.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' ACSNOTE, ABENDの通知領域.
  • パラメータ

    以下は、ACSNOTEコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    ACSNOTE

    ACSNOTEコマンドのマクロ値である「ACSNOTE」を指定します。

    ABENDの通知領域

    ACS情報の通知領域を指定します。通知領域にはアプリケーションプログラム名、ABEND LIMIT値、ABEND回数が含まれます。

13. APABEND

APABENDは、アプリケーションプログラムを異常終了するコマンドです。

以下は、APABNEDコマンドの使用例です。

WORKING-STORAGE SECTION.
   COPY CBACSAPI.
...
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ACSAPI' USING APABEND.
  • 呼び出し形式

    CALL 'ACSAPI' APABEND.
  • パラメータ

    以下は、APABENDコマンドを使用する場合に設定するパラメータの説明です。

    パラメータ 説明

    APABEND

    APABENDコマンドのマクロ値である「APABEND」を指定します。

14. VCOM

アプリケーションプログラムでVSAMに対するACS APIを使用するには、通信領域であるVCOM(VSAM Communication)領域を指定する必要があります。

以下は、VCOMに対する定義です。

       01  VCOM-AREA.
            03  VOPTCD.
              05  VOPTCD01         PIC X(4) VALUE IS 'KEY '.
              05  VOPTCD02         PIC X(4) VALUE IS 'SEQ '.
              05  VOPTCD03         PIC X(4) VALUE IS 'SYN '.
              05  VOPTCD04         PIC X(4) VALUE IS 'NUP '.
              05  VOPTCD05         PIC X(4) VALUE IS 'KEQ '.
              05  VOPTCD06         PIC X(4) VALUE IS 'FKS '.
              05  VOPTCD07         PIC X(4) VALUE IS 'MVE '.
              05  VOPTCD08         PIC X(4) VALUE IS 'ARD '.
              05  VOPTCD09         PIC X(4) VALUE IS 'FWD '.
              05  VOPTCD10         PIC X(4) VALUE IS 'NWA '.
            03  VRTNCD.
              05  VMJR PIC X(2) VALUE IS '00'.
              05  VMNR PIC X(2) VALUE IS '00'.
            03  VACB PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VAIXPC           PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VAREA PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VAREALEN         PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VARG PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VECB PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VFDBK.
              05  VFDBK1           PIC 9(4) COMP VALUE IS 0.
              05  VFDBK2           PIC 9(4) COMP VALUE IS 0.
            03  VFTNCD           PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VKEYLEN          PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VMSGAREA         PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VMSGLEN          PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VNXTRPL          PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VRBA PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VRECLEN          PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VTRANSID         PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
            03  VRSV.
              05  VRSV1 PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
              05  VRSV2 PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
              05  VRSV3 PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
              05  VRSV4 PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
              05  VRSV5 PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
              05  VRSV6 PIC 9(8) COMP VALUE IS 0.
  • パラメータ

    以下は、VCOM領域の各項目の説明です。

    パラメータ 説明

    VOPTCD

    アプリケーションプログラムがVSAMデータセットに対して処理する方法を指定します。

    VTRNCD

    レコードの入出力要求に対するリターンコードです。(現在はサポートされていません)

    VAREALEN

    アプリケーションプログラムの入出力レコード領域の長さを指定します。

    VFDBK

    レコードの入出力要求に対するVSAMリターンコードです。

    VFTNCD

    物理エラーが発生した際の機能コードです。(現在はサポートされていません)

    VKEYLEN

    キー値を指定する場合、そのキーの長さを指定します。

    VRBA

    最後に処理されたRBAが返されます。(現在はサポートされていません)

    VRECLEN

    レコード入出力時のデータレコード長を指定します。(現在はサポートされていません)

ACSAPIのVCOMで使用されるVOPTCDの値と意味は以下のとおりです。

  • VOPTCD

    以下は、VOPTCDの各項目の説明です。

    パラメータ 説明

    VOPTCD01

    ADR

    KSDSまたはESDSに対し、アドレス値を基準にレコードにアクセスします。

    VOPTCD01

    KEY

    KSDSまたはRRDSに対し、RRNまたは指定したキー値を基準にレコードにアクセスします。(デフォルト値)

    VOPTCD02

    DIR

    KSDS、ESDSまたはRRDSに対し、直接アクセスを行います。

    VOPTCD02

    SEQ

    KSDS、ESDSまたはRRDSに対し、順次アクセスを行います。(デフォルト値)

    VOPTCD02

    SKP

    現在サポートされていません。

    VOPTCD03

    SYN

    VSAM要求の実行が完了すると、ユーザープログラムに戻ります。

    VOPTCD04

    NSP

    VSAMは順次処理を継続するためにレコードの位置を記憶します。(現在サポートされていません)

    VOPTCD04

    NUP

    検索レコードは更新および削除対象ではありません。(現在サポートされていません)

    VOPTCD04

    UPD

    検索レコードは更新および削除対象です。(デフォルト値)

    VOPTCD05

    KEQ

    指定したキー値と完全または部分一致するレコードを検索します。(デフォルト値)

    VOPTCD05

    KGE

    指定したキー値と完全または部分一致するか、またはそれより大きいキー値のレコードを検索します。

    VOPTCD06

    FKS

    VGETまたはVPOINTの処理時、指定したキーをレコードのキー値として処理します。(デフォルト値)

    VOPTCD06

    GEN

    VGETまたはVPOINTの処理時、指定したキーをレコードの一部として処理します。

    VOPTCD07

    MVE

    現在サポートされていません。

    VOPTCD08

    ARD

    現在サポートされていません。

    VOPTCD08

    LRD

    現在サポートされていません。

    VOPTCD09

    FWD

    データを前方に移動し、順次処理方式で検索します。(デフォルト値)

    VOPTCD09

    BWD

    データを後方に移動し、順次処理方式で検索します。

    VOPTCD10

    NWA

    現在サポートされていません。

FDBKは、VSAMへのアクセス処理に対する結果を示します。

  • FDBK

    以下は、FDBKの値の説明です。

    VFDBK1 VFDBK2 説明

    0

    0

    レコードの処理が正常に行われました。

    0

    4

    重複するキーを持つレコードに対する処理が行われました。

    8

    4

    順次アクセス時にファイルの最後のレコードに到達したか、VTOPCD05にKGEが指定されている状態で検索対象のレコードが存在しない場合に発生します。

    8

    8

    同一キーを持つレコードがすでに存在します。

    8

    16

    VOPTCD05にKEQを指定して特定のキー値に該当するレコードの位置を指定したが、そのキーを持つレコードが見つからなかった場合です。

    12

    4

    データセットの読み込み中にエラーが発生しました。

    12

    16

    データセットへの書き込み中にエラーが発生しました。