TSOの紹介

本章では、TSOの概念および機能について説明します。

1. TSOの機能

TSO(Time Sharing Option)は、TSOコマンドおよびコマンド・プロシージャを使用して、端末の入出力、データセットの管理、COBOLプログラムの実行など、さまざまな業務を処理することができる機能です。TSOコマンドは、JCLを使用してバッチ・ジョブとして実行するか、画面入出力を介して対話型で実行することができます。

以下は、TSOが提供する機能です。

  • データセット管理

    カタログ項目を表示するか、データセットを削除する機能です。

  • プログラムの実行

    プログラム・ライブラリや実行ファイルを実行する機能です。

  • 実行環境の設定

    データセットの割り当てまたは削除およびジョブ・ライブラリを設定する機能です。

  • バッチジョブの削除

    バッチジョブを実行またはキャンセルする機能です。

  • 画面の入出力

    ディスプレイ端末で画面の入出力を処理する機能です。

  • コマンド・プロシージャ

    UNIXシェルの組み込みコマンド、制御文、環境変数に似た機能です。

2. TSO画面の入出力処理の構造

TSOは、画面の入出力を処理するTSOMGRと、実際にTSOコマンドを処理するプログラムのIKJEFT01で構成されています。IKJEFT01は、JCLに記述されているCLISTおよびTSOコマンドを読み込んで処理するユーティリティです。CLISTに画面呼び出しコマンド(EXCEFW、EXCEFI、PANEL)を記述するか、COBOLでIPFサブルーチンを介して画面を呼び出すと、TSOMGRのTmaxサービスを呼び出してデータとパラメータを渡します。

TSOMGRユーティリティは、事前にコンパイルされたマップ情報ファイルを読み込んで画面のフィールド情報を構成し、OpenFrame GWを介して画面に表示します。画面に値が入力されると、OpenFrame GWを介してその値がTSOMGRに渡され、必要なデータを抽出した後、IKJEFT01ユーティリティに返します。

以下の図は、TSO画面の入出力処理のプロセスを示しています。

figure tso architecture
TSO画面の入出力処理のプロセス

  • OpenFrame GW

    ユーザーがディスプレイ端末で入力したデータをTSOMGRに渡し、IKJEFT01が処理したデータをTSOMGRを介して受信してディスプレイ端末に表示します。

  • TSOMGR

    IKJEFT01からデータとパラメータを受け取り、事前にコンパイルされているマップ情報ファイルから必要なマップ情報を読み込んで画面のフィールド情報を構成した後、OpenFrame GWに渡します。ディスプレイ端末に値が入力されると、OpenFrame GWを介してその値がTSOMGRに渡され、必要なデータを抽出した後、アプリケーション・プログラムに返します。

  • IKJEFT01

    ユーザーがディスプレイ端末よりTSOにアクセスすると、TSOMGRがそれぞれのTSOユーザーに対するジョブを実行させます。それぞれのジョブは、IKJEFT01ユーティリティを使用して指定されたCLISTのスクリプト・ファイルを分析してTSOコマンドを実行させます。TSOコマンドでは、画面を呼び出したり、COBOLアプリケーションなどを実行することができます。

  • CLIST (Command Procedure)

    TSOのコマンド・リストです。IKJEFT01ユーティリティがCLISTに指定されているTSOコマンドを1行ずつ読み込んで実行します。画面の呼び出し、アプリケーションの実行、データセットの管理、バッチ・ジョブの制御などを行うことができます。

  • MAP

    画面でデータ入出力を処理するためのマップ・ファイルです。