インストールとアンインストール

本章では、OpenFrame Batch for MSPをインストールおよびアンインストールする方法と、それを確認する方法について説明します。

1. インストール

本節では、インストーラーとスクリプトを使用してOpenFrame Batch for MSPインストールする方法について説明します。

1.1. インストーラーを使用した自動インストール

インストール・プロパティ・ファイルを作成した場合は、インストーラーを使用して簡単にOpenFrame Batch for MSPをインストールすることができます。

以下のインストール方法は、すべてのプラットフォームで同様に適用されます。

  1. OpenFrame Batch for MSPをインストールするディレクトリにインストーラー・バイナリ・ファイルとインストール・プロパティ・ファイルをコピーします。

  2. インストーラー・バイナリ・ファイルへの実行権限がない場合は、以下のようにchmodコマンドを実行して実行権限を与えます。

    以下は、Linux x86 64Bit用のインストーラー・バイナリに実行権限を与える例です。

    $ chmod a+x OpenFrame_Batch7_3_MSP_Linux_x86_64.bin
  3. コンソール・プロンプトでインストーラーを実行します。

    <installer_file_name> -f batch.properties

    以下は、インストール・プロパティ・ファイルをbatch.propertiesに作成して実行する方法です。次のいずれかの方法で実行してEnterキーを押します。

    • 方法1

      $ ./OpenFrame_Batch7_3_MSP_Linux_x86_64.bin –f batch.properties
    • 方法2

      $ sh OpenFrame_Batch7_3_MSP_Linux_x86_64.bin –f batch.properties
  4. 以下のような画面が表示され、自動的にOpenFrameのインストールが実行されます。

    Preparing to install...
    Extracting the JRE from the installer archive...
    Unpacking the JRE...
    Extracting the installation resources from the installer archive...
    Configuring the installer for this system's environment...
    
    Launching installer...
    
    Preparing SILENT Mode Installation...
    
    ===============================================================================
    OpenFrame_Batch7.3_MSP            (created with InstallAnywhere by Macrovision)
    -------------------------------------------------------------------------------
    
    
    
    
    ===============================================================================
    Installing...
    -------------
    
     [==================|==================|==================|==================]
     [------------------|------------------|------------------|------------------]
    
    Installation Complete.

OpenFrame Baseと異なり、OpenFrame Batchのインストール時には.profileファイルを変更しないため、.profileを実行して環境変数を適用する必要はありません。

1.2. スクリプトを使用した手動インストール

インストール・プロパティ・ファイルの環境設定で、データセットの自動作成オプションをすべてNOに設定した場合は、OpenFrame Batch for MSPのインストール完了後、手動でスクリプトを実行する必要があります。インストール・スクリプト・ファイルは、${OPENFRAME_HOME}/scriptsディレクトリに格納されています。次の順番でスクリプトを実行してください。

順番 スクリプト

1

link_lib_batch.sh

2

create_tjes.sh

3

create_tjescf.sh

4

create_jcllib.sh

5

create_proclib.sh

6

create_userlib.sh

7

create_templib.sh

8

batch_init.sh

データセットの自動作成オプションをすべてYESに設定した場合は、インストーラーによってスクリプト・ファイルが自動的に実行されます。

2. インストールの確認

OpenFrame Batch for MSPをインストールした後、正常にインストールされたことを確認します。

2.1. ディレクトリ構造の確認

OpenFrame Baseをインストールした後、OpenFrame Batchのインストールを完了すると、以下のディレクトリが構成されます。(OpenFrame Baseのインストール時に生成されたOpenFrameディレクトリ構造は変更されません)環境変数の$OPENFRAME_HOMEに設定されたディレクトリをホーム・ディレクトリとします。

${OPENFRAME_HOME}
   +---- UninstallerData
   +---- bin
   +---- config
   +---- core
   +---- cpm
   +---- data
   +---- include
   +---- lib
   +---- license
   +---- log
         +---- cmd
         +---- data
         +---- sys
   +---- ofdb_scripts
   +---- outputq
   +---- profile
   +---- sample
   +---- scripts
   +---- schema
   +---- shared
         +---- SMF
         +---- TJES
   +---- spbackup
   +---- spool
   +---- spunpack
   +---- temp
   +---- tsam
         +---- temp
         +---- lib
         +---- copybook
   +---- util
   +---- volume_DEFVOL
   +---- webde
         +---- bin
         +---- copybook
UninstallerData

システムにインストールされているOpenFrameを削除するためのファイルが格納されています。

bin

OpenFrameで使用する実行バイナリが格納されています。

config

OpenFrameの環境設定ファイルが格納されています。

core

OpenFrameで使用されるTmax関連ファイルが格納されています。OpenFrameを構成するTmaxのサーバー・プログラム、サービス・プログラム、および設定ファイルを含みます。

cpm

文字コード変換テーブル・ファイルが格納されています。

data

OpenFrame内部で使用されるデータ・ファイルやエラーメッセージ情報ファイルが格納されています。

include

アプリケーションをコンパイルする際に使用されるヘッダー・ファイルが格納されています。

lib

OpenFrameで使用されるライブラリ・ファイルが格納されています。

license

OpenFrameのライセンス・ファイルが格納されています。

以下は、OpenFrameのライセンス・ファイルの種類です。

ファイル名 説明

licaim.dat (AIM)

AIMのライセンス・ファイルです。

licbase.dat

Baseのライセンス・ファイルです。

lichidb.dat

HiDBのライセンス・ファイルです。

licosc.dat (MVS)

OSCのライセンス・ファイルです。

licosi.dat (MVS)

OSIのライセンス・ファイルです。

lictacf.dat

TACFのライセンス・ファイルです。

lictjes.dat

Batch(TJES)のライセンス・ファイルです。

log

OpenFrameの各製品で生成されるログ・ファイルが格納されています。サブディレクトリとしては、ログ・ファイルの種類によって分類される、cmd、sys、dataがあります。詳細については、OpenFrame Base『Baseガイド』の「ログの管理」を参照してください。

ofdb_scripts

TSAM、NDB、HiDBを使用するために必要なテンプレートとスクリプトが格納されています。

outputq

プリントする出力データが格納されています。マルチノードで構成する場合は、sharedディレクトリのサブディレクトリとして構成することを推奨します。

profile

OpenFrameの各ユーザーのプロファイルが格納されています。

sample

OpenFrame製品のサンプル・ファイルが格納されています。

scripts

OpenFrame製品の初期環境設定用のスクリプト・ファイルが格納されています。

schema

cobgensch、pligenschツールにより作成されたデータセット・スキーマ・ファイルが格納されています。

shared

OpenFrameの各製品が共有するディレクトリです。詳細については、OpenFrame Batch『環境設定ガイド』の「SHARED_DIR」を参照してください。

spbakup

スプール・データセットのバックアップ・ディレクトリです。

spool

スプール・データセットが格納されています。マルチノードで構成する場合は、sharedディレクトリのサブディレクトリとして構成することを推奨します。

spunpack

バックアップされたスプール・データをリストアするためのディレクトリです。

temp

OpenFrameの一時ファイルが格納されています。

tsam

OpenFrameで使用するTSAM関連情報を管理するディレクトリです。詳細については、OpenFrame Batch『環境設定ガイド』の「TSAM_RDB」を参照してください。

util

Batchシステムで使用されるユーティリティが格納されています。

volume_DEFVOL

OpenFrameの各製品がデフォルト・ボリュームとして使用するディレクトリです。

webde

OpenFrameで使用するWEBDE関連情報を管理するディレクトリです。詳細については、OpenFrame Batch『環境設定ガイド』の「WEBDE」を参照してください。

2.2. 起動の確認

以下は、起動を確認する手順です。

  1. インストール・プロパティ・ファイルでスクリプトの自動生成オプションをすべてYESにした場合は、${OPENFRAME_HOME}/UninstallerData/log/install_batch.logファイルをテキスト・エディターで開いて、エラー・ログの有無を確認します。

  2. tmbootを実行してOpenFrameを起動します。

    $ tmboot
  3. 起動画面が正常に表示されることを確認します。

    TMBOOT for node(NODE1) is starting:
    Welcome to Tmax demo system: it will expire 2025/7/2
    Today: 2025/7/1
        TMBOOT: TMM is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: CLL is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: CLH is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: TLM(tlm) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrcfsvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrsasvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrlhsvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrdmsvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrdsedt) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrcmsvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofruisvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofruisvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrsmlog) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(obmjmsvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(obmjschd) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(obmjinit) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(obmjhist) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(obmjspbk) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(ofrpmsvr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
        TMBOOT: SVR(obmtsmgr) is starting: Tue Jul 1 11:50:36 2025
  4. tmadminを実行した後、siコマンドを使用してサーバー・リストを出力し、すべてのサーバー・プロセスが正常に起動されたことを確認します。

    OpenFrame Batch for MSPが正常にインストールおよび起動されると、以下の例のようにすべてのサーバーがRDY状態に表示されます。

    $ tmadmin
    --- Welcome to Tmax Admin (Type "quit" to leave) ---
    
    $$1 NODE1 (tmadm): si
    ------------------------------------------------------------------------
      clh   svrname    (svri)   status     count   qcount   qpcount  emcount
    ------------------------------------------------------------------------
        0   ofrcfsvr   (   4)      RDY       462        0         0        0
        0   ofrsasvr   (   5)      RDY         0        0         0        0
        0   ofrlhsvr   (   6)      RDY         0        0         0        0
        0   ofrdmsvr   (   7)      RDY         0        0         0        0
        0   ofrdsedt   (   8)      RDY         0        0         0        0
        0   ofrcmsvr   (   9)      RDY         0        0         0        0
        0   ofruisvr   (  10)      RDY         0        0         0        0
        0   ofrsmlog   (  11)      RDY         0        0         0        0
        0   obmjmsvr   (  12)      RDY         0        0         0        0
        0   obmjschd   (  13)      RDY         1        0         0        0
        0   obmjinit   (  14)      RDY         2        0         0        0
        0   obmjhist   (  15)      RDY         0        0         0        0
        0   obmjspbk   (  16)      RDY         0        0         0        0
        0   ofrpmsvr   (  17)      RDY         0        0         0        0
        0   obmtsmgr   (  18)      RDY         0        0         0        0
    
    $$2 NODE1 (tmadm):

3. アンインストール

インストーラーが提供するアンインストール・ユーティリティを実行して、OpenFrame Batch for MSPを削除することができます。

以下は、OpenFrame Batch for MSPをアンインストールする手順です。

  1. アンインストールを実行する前に、tmdownコマンドを実行してOpenFrameを終了します。

    $ tmdown
  2. 終了メッセージが正常に表示されることを確認します。

    Do you really want to down whole Tmax? (y : n): y
    
    TMDOWN for node(NODE1) is starting:
        TMDOWN: SERVER(ofrdsedt:40) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrcmsvr:41) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(obmjhist:56) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrsasvr:37) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrdmsvr:39) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrcfsvr:36) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(obmjschd:54) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrpmsvr:58) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(obmjspbk:57) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrlhsvr:38) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(obmjmsvr:53) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofruisvr:42) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofruisvr:43) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(obmtsmgr:59) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(obmjinit:55) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: SERVER(ofrsmlog:52) downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: CLL downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: CLH downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: TLM downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: TMM downed: Tue Jul 1 11:50:55 2025
        TMDOWN: TMAX is down
  3. OpenFrameの終了を確認した後、Linuxコンソールで${OPENFRAME_HOME}/UninstallerDataディレクトリに格納されているUninstallファイルを実行します。

    $ ./Uninstall_Batch
  4. アンインストール・プログラムによってOpenFrame Batch for MSPのファイルが削除されます。

4. アンインストールの確認

アンインストール・プログラムは、OpenFrame Batch for MSPのインストール時に作成されたファイルのみを削除します。したがって、削除されずに残っているディレクトリとファイルは直接削除する必要があります。

デフォルトのインストール・ディレクトリである${HOME}/OpenFrameにインストールした場合、次のコマンドを使用して残っているディレクトリとファイルを削除します。

$ rm -rf $HOME/OpenFrame