LUの自動割り当て

本章では、OpenFrame GWのLU自動割り当て機能を使用するためにBEGINVTAMマクロを設定する方法について説明します。

1. 概要

LUの自動割り当ては、接続する端末のIPを基準に、データセットに保存されている情報を基に端末にLU名を割り当てたり、端末のLU名がすでに設定されている場合には、整合性をチェックして接続の許可を決定したりする機能です。この機能を使用するには、BEGINVTAMマクロ文を使用してIP-LUマッピング情報を構成する必要があります。

以下は、VTAM自動割り当ての設定例です。

BEGINVTAM
  PORT 15400
  DEFAULTLUS DFLT0000..DFLT9999..FFFFNNNN ENDDEFAULTLUS
  LUGROUP LUGRP1 UGSS0000..UGSS9999..FFFFNNNN ENDLUGROUP
  IPGROUP IPGRP2 1.1.1.1..255.255.255.255 ENDIPGROUP
  LUMAP LUGRP1 IPGRP2
ENDVTAM

2. BEGINVTAMマクロ

BEGINVTAMマクロ文でIPグループとLUグループをマッピングして、端末にLU名を自動で割り当てることができます。また、BEGINVTAMマクロ文のコマンド文を組み合わせて、デフォルト・リージョンの自動ログオン機能を使用することもできます。

現在デフォルト・リージョンの自動ログオン機能は、OSCでのみ提供しています。

デフォルト・リージョンは、ユーザーがリージョンを指定しなかった場合に、端末が接続時に自動でログオンするリージョンです。端末がLU名を指定して接続を試みる場合には、整合性チェック機能も提供します。

マクロは、以下のBEGINVTAMマクロの設定ルールに従って作成してください。

2.1. LU名の設定ルール

BEGINVTAMマクロ文で各種コマンドのオプションとしてLU名を指定する場合は、以下のルールを参照してください。

  • 指定するLU名の最初の文字は、必ずA-Z、@、#、または$にします。残りの桁は、これらの文字に加えて、数字0-9を使用できます。出力できない文字は使用を控えてください。

  • LU名の範囲を設定することもできます。

    範囲の設定形式は、以下のとおりです。

    LowerRange..UpperRange[..rangerule]
    • 空白文字は使用できません。

    • LowerRange、UpperRange、rangeruleの長さ(文字列数)は一致する必要があり、8文字を超えることはできません。

    • UpperRangeはLowerRangeより大きい必要があります。(文字のASCII値を比較)

    • rangeruleは、以下のようなワイルドカードの使用ルールに従います。

      項目 説明

      F

      固定文字であり、変更されません。

      A

      英大文字のみ指定できます。

      N

      数字のみ指定できます。

      B

      英大文字と数字のみ指定できます。

      X

      16進数の数字と英大文字のみ指定できます。(0~F)

      ?

      @、#、$を含む数字と英大文字のみ指定できます。

  • 使用例

    以下の例は、TCPは固定文字のFFFであり、Nは数字0-9を、Xは16進数(0~F)を、?は0-9、A-Z、@、#、$を、AはA-Z、Bは0-9、A-Zをそれぞれ指定できることを示しています。

    TCP000A0..TCP9F$ZZ..FFFNX?AB

    以下は、AB100~AB999(900)、BB000~BB999(1000)、およびCB000~CB299(300)の合計2200のLU名を指定する例です。

    AB100..CB299..AFNNN

2.2. IP設定ルール

以下は、IPアドレスを表記する方法です。IPv4アドレスのみ有効です。

XXX.XXX.XXX.XXX

以下は、合計255のIPアドレスを設定する例です。

1.1.1.1..1.1.1.255

2.3. BEGINVTAMマクロの設定ルール

BEGINVTAMマクロ文は以下のようなルールに従って使用します。

  • BEGINVTAM文内(~ENDVTAM)で1つ以上のポートを指定したい場合には、必ずBEGINVTAM文の最初のコマンドに指定する必要があります。

  • 自動ログインするためには、LUGROUPに指定するLU名またはLU範囲内のLU名が、接続するリージョンに登録されている必要があります。

  • グループ名を指定する際には、以下の文字を除外します。

    ASCII値 HEX値 説明

    .

    2E

    ピリオド

    *

    2A

    アスタリスク

    ;

    3B

    セミコロン

    ,

    2C

    コンマ

    =

    3D

    等号

  • LUMAPに使用されるLUグループ名とIPグループ名は必ず事前に定義されている必要があります。

  • LUGROUPは使用されるIPGROUPとマッピングされる必要があります。

  • 最初の列でセミコロン( ; )で始めると、コメントとして処理されます。

  • ゲートウェイが当該情報(BEGINVTAM文)を起動中に取得するためには、vtamgenツールを使用してあらかじめvtam.confの[VTAM]セクションのDSNAMEに設定されたデータセットに情報を保存する必要があります。vtamgenツールについての詳細は、『OpenFrame ツールリファレンスガイド』を参照してください。

  • 異なるIPグループで重複してIPを定義した場合は、先に定義されたものが適用され、以降のものは警告メッセージが返されます。

    たとえば、以下のように設定した場合、2番目のIPグループXYZに定義された「2.2.2.2」は無視されます。

    IPGROUP ABC 1.1.1.1..2.2.2.2 ENDIPGROUP
    IPGROUP XYZ 2.2.2.2..3.3.3.3 ENDIPGROUP

3. BEGINVTAMマクロ・コマンド

以下は、BEGINVTAMマクロ文で使用されるコマンドの説明です。

コマンド 説明

DEFAULTAPPL

端末とゲートウェイが接続する際に、接続を試みるリージョンを指定します。

DEFAULTLUS

LUグループを設定していない場合に使用されるデフォルトのLUグループを指定します。

DEFAULTPRT

プリンターLUグループを設定していない場合に使用されるデフォルトのプリンターLUグループを指定します。(解析のみサポートしています)

IPGROUP

IPグループを指定します。

LUGROUP

LUグループを指定します。

PRTGROUP

プリンターLUグループを指定します。(解析のみサポートしています)

LUMAP

IPグループとLUグループをマッピングします。

PRTMAP

IPグループとプリンターLUグループのLUをマッピングします。(解析のみサポートしています)

PORT

ゲートウェイのポート番号を指定します。

上記以外のALLOWAPPL、DEFAULTLUSSPEC、DEFAULTPRTSPEC、DESTIPGROUP、DESTIPGROUP、HNGROUP、INTERTCP、LINEMODEAPPL、LINKGROUP、MONITORGROUP、MONITORMAP、PARMSGROUP、PARMSMAP、PRTDEFAULTAPPL、RESTRICTAPPL、USERGROUP、USSTCPコマンドはサポートしません。

3.1. DEFAULTAPPL

LUMAPのDEFAPPLにリージョンが設定されていない場合に使用されるデフォルト・リージョン名を指定します。

現在DEFAULTAPPL機能は、OSCでのみ提供しています。

  • 構文

    DEFAULTAPPL application_name
    項目 説明

    application_name

    設定するリージョンの名前を指定します。

3.2. DEFAULTLUS

LUグループを設定していない場合に使用されるデフォルトのLUグループを指定します。

  • 構文

    DEFAULTLUS luname|luname1..luname2[..range_rule] ENDDEFAULTLUS
    項目 説明

    luname

    設定するLU名を指定します。

    luname1..luname2

    LU名の範囲を指定します。

    range_rule

    LU名のルールを指定します。

3.3. DEFAULTPRT

プリンターLUグループを設定していない場合に使用されるデフォルトのプリンターLUグループを指定します。(解析のみサポートします)

  • 構文

    DEFAULTPRT prt_name|prt_name1..prt_name2[..range_rule] ENDDEFAULTPRT
    項目 説明

    prt_name

    設定するプリンター名を指定します。

    prt_name1..prt_name2

    プリンター名の範囲を指定します。

    range_rule

    プリンター名のルールを指定します。

3.4. IPGROUP

IPグループを指定します。

  • 構文

    IPGROUP ip_group_name ip_addr|ip_range1..ip_range2 ENDIPGROUP
    項目 説明

    ip_group_name

    LUMAPで使用されるIPグループ名を指定します。

    ip_addr

    IPv4アドレスを指定します。

    ip_range1..ip_range2

    IPv4アドレスの範囲を指定します。

3.5. LUGROUP

LUグループを指定します。

  • 構文

    LUGROUP lu_group_name lu_name|lu_name1..lu_name2[..range_rule] ENDLUGROUP
    項目 説明

    lu_group_name

    LUMAPで使用されるLUグループ名を指定します。

    lu_name

    LU名を指定します。

    lu_name1..lu_name2

    LU名の範囲を指定します。

    range_rule

    LU名のルールを指定します。

3.6. PRTGROUP

プリンターLUグループを指定します。(解析のみサポートします)

  • 構文

    PRTGROUP lu_group_name lu_name|lu_name1..lu_name2[..range_rule] ENDPRTGROUP
    項目 説明

    lu_group_name

    PRTMAPで使用されるLUグループ名を指定します。

    lu_name

    LU名を指定します。

    lu_name1..lu_name2

    LU名の範囲を指定します。

    range_rule

    LU名のルールを指定します。

3.7. LUMAP

IPグループとLUグループをマッピングします。

  • 構文

    LUMAP luname|lu_group_name ip_addr|ip_group_name [DEFAPPL application_name]
    [GENERIC | SPECIFIC]
    項目 説明

    luname

    LU名を指定します。

    lu_group_name

    LUグループ名を指定します。

    ip_addr

    IPv4アドレスを指定します。

    ip_group_name

    IPグループ名を指定します。

    application_name

    リージョン名を指定します。(OSCでのみ提供)

    GENERIC

    デフォルトでGENERICオプションを適用します。(端末にLUを割り当てる)

    SPECIFIC

    端末がLU名を指定した場合、そのLUMAPで検索します。

3.8. PRTMAP

IPグループとプリンターPRTGROUPのLUグループをマッピングします。(解析のみサポートします)

  • 構文

    PRTMAP luname|lu_group_name ip_addr|ip_group_name [DEFAPPL application_name]
    [GENERIC|SPECIFIC]
    項目 説明

    luname

    LU名を指定します。

    lu_group_name

    LUグループ名を指定します。

    ip_addr

    IPv4アドレスを指定します。

    ip_group_name

    IPグループ名を指定します。

    application_name

    リージョン名を指定します。(OSCでのみ提供)

    GENERIC

    デフォルトでGENERICオプションを適用します。(端末にLUを割り当てる)

    SPECIFIC

    端末がLU名を指定した場合、そのLUMAPで検索します。

3.9. PORT

ゲートウェイのポート番号を指定します。

  • 構文

    PORT num[,num]
    項目 説明

    num

    ポート番号を指定します。