アプリケーションのデプロイ

本章では、OpenFrame GWのインストール時に追加設定が自動的に実行されない場合、直接設定する方法について説明します。

OpenFrame GWはJEUSにデプロイされ動作するため、JEUSが起動している必要があります。本書は、JEUS 8.5バージョンがインストールされていることを前提として説明しています。インストール時にJEUSサーバーが起動していないか、旧バージョンがインストールされている場合は、JEUSに<lifecycle-invocation>を直接設定する必要があります。詳細については、JEUSの環境設定を参照してください。

1. Web端末アプリケーションのデプロイ

OpenFrame GWインストーラーをインストールすると、Web端末バイナリも指定されたディレクトリにコピーされます。Web端末を使用するために、次のようにJEUSにアプリケーションをデプロイします。

  1. OpenFrame GWインストーラーを実行する際、Web端末バイナリを次のディレクトリにコピーします。

    $JEUS_HOME/domains/<domain_name>/servers/<server_name>/lib/application/<application_id>
  2. Web端末アプリケーションは、インストーラーのインストール時に自動的にデプロイされますが、直接設定する場合は、JEUS WebAdminあるいはjeusadminツールを用いてデプロイします。

    以下は、jeusadminツールを使用する方法です。

    $jeusadmin -u <jeus_id> -p <jeus_password> -host <DAS_ip>:<DAS_base_port> "deploy-application <application_id> -path <application_path> -servers <server_name>"

    以下の例では、jeusadminツールを使用して、JEUSの管理者アカウントでサーバー(server1)にWeb端末アプリケーション(アプリケーション名はwebterminal)をデプロイしています。

    $jeusadmin -u administrator -p 1111111 -host 192.168.105.191:9736 "deploy-application webterminal -path /home/ofgw1/jeus7/domains/jeus_domain/servers/server1/lib/application/webterminal -servers server1"
    
    Attempting to connect to 192.168.105.191:9736.
    The connection has been established to Domain Administration Server adminServer in the domain jeus_domain.
    deploy the application for the application [webterminal] succeeded.
  3. アプリケーションが正常にデプロイされると、domain.xmlに<deployed-application>タグが自動的に追加されます。

    以下は、OpenFrame GWがインストールされているサーバーにWeb端末アプリケーションを設定する例です。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <domain xmlns="http://www.tmaxsoft.com/xml/ns/jeus" version="8.5">
    ...
        </server>
     </servers>
      <deployed-applications>
        <deployed-application>
          <id>webterminal</id>
          <path>/home/ofgw1/jeus7/domains/jeus_domain/servers/server1/lib/application/webterminal
          </path>
          <type>WAR</type>
            <targets>
              <server>
                 <name>server1</name>
              </server>
           </targets>
           <options>
              <classloading>ISOLATED</classloading>
              <fast-deploy>false</fast-deploy>
              <keep-generated>false</keep-generated>
              <shared>false</shared>
           </options>
        </deployed-application>
     </deployed-applications>
    ...
    </domain>

    以下は、<deployed-application>の設定タグについての説明です。

    タグ 説明

    <id>

    アプリケーション名です。

    <path>

    Web端末バイナリのパスです。

    <type>

    アプリケーションのタイプを指定します。

    • EAR

    • EJB

    • WAR

    • CAR

    • RAR

    <server>

    アプリケーションをデプロイするサーバーです。

デプロイが実行されていないと、<deployed-application>タグが確認できません。JEUS WebAdminの[Applications]メニューからアプリケーションを確認して、該当するアプリケーションをデプロイおよび設定してください。その他の設定オプションについては、『JEUS XMLリファレンスガイド』を参照してください。

2. Web端末の接続

JEUSの起動後、OpenFrame GWが提供するWeb端末の接続方法について説明します。

  1. JEUSが正常に起動したら、Webブラウザーを実行してアドレス欄にWebゲートウェイの接続属性を入力します。

    http://{webterminalがインストールされたIP}:{HTTPポート}/{webterminal Context Name}?{接続属性 [ip&port&lu&name]}

    以下は、アプリケーションの実行例です。Web端末がインストールされたIPアドレスが「192.168.105.191」、JEUSのインストール時に設定したHTTPリスナー・ポートは「8088」、コンテキスト名はデフォルトの「webterminal」に設定しています。

    http://192.168.105.191:8088/webterminal

    以下は、HTTPポート情報とコンテキスト名を確認する方法です。

    • HTTPポート情報を確認する方法

      以下より、ポート番号を確認します。

      $JEUS_HOME/domains/<domain_name>/config/domain.xml

      以下は、サーバー(server1)にWeb端末アプリケーションをデプロイした場合、HTTPポートが8088に設定された内容を確認する例です。

      <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
      <domain xmlns="http://www.tmaxsoft.com/xml/ns/jeus" version="8.5">
      ...
         <servers>
            <server>
               <name>server1</name>
               <node-name>ofRedhat64</node-name>
               <listeners>
                  <base>BASE</base>
      ...
                  <listener>
                     <name>http-server1</name>
                     <listen-port>8088</listen-port>
                     <use-nio>true</use-nio>
                     <selectors>1</selectors>
                     <use-dual-selector>false</use-dual-selector>
                     <backlog>128</backlog>
                     <select-timeout>120000</select-timeout>
                     <read-timeout>30000</read-timeout>
                     <reserved-thread-num>0</reserved-thread-num>
                  </listener>
      ...
    • コンテキスト名を確認する方法

      以下より、jeus-web-dd.xmlの<context-path>を確認します。

      $JEUS_HOME/domains/<domain_name>/servers/<server_name>/lib/application/
      <application_name>/WEB-INF/jeus-web-dd.xml
    • 接続属性の設定方法

      Web端末に接続する場合は、あらかじめURLに接続情報を明示し、その情報を利用して接続することができます。URLの後ろに区切り文字の疑問符(?)を挿入し、パラメータ形式で接続情報を設定できます。各パラメータは「&」で区切ります。各パラメータはオプションとして使用可能であり、宣言順序もありません。

      以下は、設定可能な接続情報です。

      項目 説明

      ip

      IPアドレスを設定します。

      port

      ポートを設定します。

      lu

      LU名を設定します。

      name

      ブラウザーのタブに表示されるタイトルを設定します。

      以下は、Web端末がインストールされたIPが「192.168.105.191」、JEUSのインストール時に設定したHTTPリスナー・ポートは「8088」、コンテキスト名は「webterminal3に設定した場合です。接続する対象IP(TMAX IP)の「192.168.105.196」、LUポート(またはVTAMポート)の「8578」、LU名の「TESTTRM3」で接続が実行され、実行されたWebブラウザーのタブには「TEST01」というタイトルが設定されるURLの例です。

      http://192.168.105.191:8088/webterminal3/?&ip=192.168.105.196&port=8578&lu=TESTTRM3&name=TEST01

      Web端末に接続する際、ブラウザーのURLにはip、port、lu、nameの情報が表示されず、これらの情報はセッション・ストレージに保存されます。

  2. Web端末アプリケーションが正常にデプロイされると、以下の画面が表示されます。

    figure 3 1
    Web端末の接続画面(1)

    Web端末に接続するときは、「LU名」を入力した後[CONNECT]をクリックするか、あるいはLU自動割り当て機能を使用します。

    LU名を入力した場合、画面の 「IP」「PORT」フィールドには表示されませんが、内部で接続しているOpenFrame GWの情報を持っています。OpenFrame GWが提供するLU自動割り当て機能を使用する場合は、LU名を入力しなくてもゲートウェイに接続することができます。これは、クライアントのIPに応じて有効なLU名を割り当てる機能です。

    接続後、[DISCONNECT]をクリックすると接続が解除されます。

    figure 3 2
    Web端末の接続画面(2)

    以下は、画面の項目についての説明です。

    項目 説明

    状態表示

    Web端末の現在の状態を表示します。

    • 赤色 : 接続の試行前か、あるいは終了した場合です。[CONNECT]ボタンをクリックすると、ゲートウェイへの接続を試行します。

    • オレンジ色 : 接続の試行中か、あるいはユーザー要求に対する応答待ち状態です。

    • 緑色 : 正常に接続されたか、あるいはユーザー要求への応答が正常に受信された場合です。[DISCONNECT]ボタンをクリックすると、ゲートウェイの接続を解除します。

    接続情報

    • LU : LU名を入力して接続します。LU自動割り当て機能を使用すると、LU名を入力しなくても保存されているIPとポートでゲートウェイに自動的に接続します。

    • IP/PORT : IPとポートを入力してゲートウェイに接続します。

    ofgw.propertiesの設定に応じて、各項目が自動割り当て機能を使用することができます。

    言語情報

    画面での入力や出力時に、EBCDIC/ASCII間のデータ変換のためにCPM表を使用します。

    • ASCEBCJP:EBCACSCJP

    • ASCEBCUS:EBCASCUS

    • ASCEBCKR:EBCASCKR

    • ASCEBCFI:EBCASCFI

    • ASCEBCFR:EBCASCFR

    • ASCEBCTW:EBCASCTW

    • ASCJEFK:JEFASCK

    webterminal.propertiesのcpm項目に設定すると、Web端末の実行時に指定した値が自動的に設定されます。

    SOSIオプション

    [SOSI]ボタンをクリックして有効化または無効化します。表示されるマップでSOSIを使用している場合は有効化します。

    PROTECT NUMERICオプション

    [PROTECT NUMERIC]ボタンをクリックして有効化または無効化します。Numeric属性を持つ入力フィールドに数字のみ入力を許可する場合に有効化します。

    サイズ・オプション

    Web端末を使用するための画面のサイズです。

    以下のいずれかを設定できます。

    • 24:80

    • 32:80

    • 27:132

    オプション

    [SHORTCUT][COPY SCREEN][KEYBOARD][NUMPAD][KEYPAD]メニューを使用できます。いずれかのメニューを指定すると当該機能が実行されるか、あるいはその機能のポップアップ・ウィンドウが表示されます。

    応答時間

    1ページあたりの要求に対する応答時間を表示します。(単位: 秒)

    バージョン

    Web端末のバージョンを表示します。

Web端末の詳細については、OpenFrame GW『Web端末ガイド』を参照してください。