システムの初期化
本付録では、OpenFrame Baseシステムの設定を変更する際に必要な初期化について説明します。
1. 概要
OpenFrame Baseシステムを起動するために必要な作業は、OpenFrame Baseシステムのインストール時にほとんど自動的に行われます。ただし、運用中にシステム設定などを変更するためには、本章の内容を熟知している必要があります。
OpenFrame Baseシステムを初期化するために必要な作業は以下のとおりです。
-
baseinitツールを使用してシステム表を作成します。
-
ofconfigツールを使用してOpenFrameの運用に必要な環境設定を保存します。
-
SQLコマンドのCREATE TABLESPACEを使用して、VSAMデータセットが保存される表領域を作成します。
-
volmgrツールを使用してボリュームを使用するために必要な作業を行います。
2. システム表の作成
OpenFrameではシステム表を作成または削除するために、baseinitというツールを提供します。
以下は、baseinitツールを使用してDEFVOLボリュームにカタログ表とVTOC表を作成する例です。
$ baseinit create -t DEFVOL
baseinitツールが動作するためには、dbconn.confファイルの[SYS1_ODBC]セクションに設定されているDBCONN接続情報が必要です。
<dbconn.conf>
[SYS1_ODBC] DATABASE=tb_oframe7 USERNAME=tibero ENPASSWD=AA68690384C8042F154AEDF2A7B9F2A52B27EB63AF0777D67076195863248D2A
baseinitツールの詳細については、OpenFrame Base『ツールリファレンスガイド』を参照してください。 |
3. 環境設定
OpenFrameではシステムの運用に必要な設定をTiberoの表に保存して管理します。
OpenFrameを使用するには、openframe_base.confファイルを必要に応じて修正し、ofconfigツールを使用して設定をTiberoの表に保存する必要があります。
以下は、ofconfigツールを使用してNODE1ノードの環境設定をTiberoの表に保存する例です。
$ ofconfig import -f openframe.conf -n NODE1
ofconfigツールの詳細については、OpenFrame Base『ツールリファレンスガイド』を参照してください。 |
4. VSAMボリューム表領域の作成
OpenFrameではメインフレームのVSAMの機能と性能をサポートするために、下部ストレージ技術としてDBMSを利用したTSAMを提供します。内部的に、VSAMデータセットはDBMSの表に、VSAMデータセットが保存されるボリュームはDBMSの表領域にそれぞれマッピングされます。
非VSAMデータセットが作成されるUNIXディレクトリ・パスは、volmgrツールを使用して作成できます。
最新のTSAMでは、複数のボリュームを1つの表領域にマッピングする方法を提供します。 |
以下は、SQLコマンドのCREATE TABLESPACEを使用して、VSAMデータセットが保存される表領域を作成する例です。
SQL> CREATE TABLESPACE "DEFVOL" DATAFILE 'DEFVOL.dbf' SIZE 100M;
5. ボリュームの設定
メインフレームでは、システムの初期化の際にシステム設定ファイルを編集することでストレージ・デバイスの設定を行います。OpenFrameでは、volmgrツールを使用してI/Oデバイス情報とシステム・ユニット情報の設定を行います。
メインフレームの非VSAMデータセットはOpenFrameでは1つのUNIXファイルに変換されます。指定したボリュームに非VSAMデータセットが生成されると、OpenFrameはこのデータセットをボリューム・ディレクトリにUNIXファイルで作成します。
volmgrツールを使用してボリューム情報を設定すると、ボリューム・ディレクトリが自動で生成されます。volmgrツールを実行するには、Tmaxエンジンの起動が必要です。
以下は、volmgrツールを使用してDEFVOLボリュームを準備する例です。
$ volmgr define -v DEFVOL -dn 0001 -dt 3380 -ms 2048 -dg SYSDA
volmgrツールの詳細については、OpenFrame Base『ツールリファレンスガイド』を参照してください。 |