データセット
本章では、OpenFrame Baseシステムが提供するデータセット・モジュールとサービスについて説明します。
1. データセットの紹介
データセットとは、論理的に接続されているデータ・レコードの集合であり、レコードとは、アプリケーションで使用する情報の基本単位です。データセットとUNIXファイルの違いは、データセットを使用する場合は、レコード単位のI/Oをサポートするアクセス・メソッドが提供されることです。
アクセス・メソッドは、データをレコード単位で読み込み、保存する場合に使用する技術です。各アクセス・メソッドは、独自のデータセット構造でデータを保存しており、データセットを処理するインターフェースとユーティリティ・プログラムを持っています。
OpenFrame Baseシステムでのデータセットは、メインフレームと同様にVSAMデータセットと非VSAMデータセットに区分しており、各データセットを処理するために異なる方法を提供しています。
-
VSAMデータセット
メインフレームのVSAM(Virtual Storage Access Method)は、データ処理プログラムで一般的に使用されていた3つの構造(順次、索引付き、直接アクセス)のデータセットを効率的に保存および使用するためのアクセス・メソッドおよびユーティリティ・プログラムです。VSAMを使用して作成されたデータセットをVSAMデータセットといいます。
メインフレームで動作していた業務をオープン・システム環境にリホストする目的で、OpenFrameではメインフレームのVSAMの機能と性能をサポートするために、DBMSストレージ・テクノロジーを使用したVSAMを提供します。(VSAMは、IBMによって開発され、以降さまざまなメインフレーム・ベンダー(IBM、日立、富士通など)によってその機能が拡張または改善されました。)
-
非VSAMデータセット
VSAMデータセットが開発される前に使用されていたすべてのデータセットを非VSAMデータセットといいます。
OpenFrameではUNIXのファイル・システムで対応しており、各データセットのタイプに応じたアクセス・メソッドは別のOpenFrameインターフェースで提供しています。
データセットとアクセス・メソッド、TSAMの詳細については、OpenFrame Base『データセットガイド』を参照してください。 |
2. システム表
OpenFrame Baseシステムをインストールおよび起動するには、データベースにシステム表が作成される必要があります。システム表は、インストール中に自動的に作成されます。
OpenFrame Baseシステムを起動するには、次の2つの表が必要です。
-
カタログ表
メインフレームでのカタログは、BCS(Basic Catalog Structure、基本カタログ構造)データセットとVVDS(VSAM Volume Data Set、VSAMボリューム・データセット)で構成されます。BCSデータセットはカタログ自体と見なすことができ、VVDSはVTOC(Volume table of contents、ボリューム目録)の拡張と見なすことができます。
OpenFrame Baseでは、BCSデータセットをカタログ表が代替しており、VVDSとVTOCはVTOC表として提供しています。
-
VTOC表
メインフレームでのVTOCは、すべてのボリュームに存在するシステム・データセットです。VTOCは、ボリューム領域の割り当て情報と拡張情報を管理しており、空きスペースや既存のデータセットの割り当て情報を確認するために使用されます。
VTOCは、カタログ化に関係なく、ボリュームに格納されるすべてのデータセットのボリューム領域の割り振り情報が保存されます。
本書のシステムの初期化では、OpenFrame Baseシステムの初期化の手順について説明しています。OpenFrameシステムにボリュームを設定し、カタログ・データセットを作成する手順が含まれます。マスター・カタログはインストールの際に自動で生成されます。マスター・カタログ以外のユーザー・カタログは、idcamsツールのDEFINE USERCATALOGコマンドを使用して作成します。
idcamsツールの使用方法については、OpenFrame Base『ツールリファレンスガイド』を参照してください。 |