ユーザー・サーバーの設定

本章では、OSIユーザー・サーバー(従属リージョン)を設定する方法について説明します。

1. 概要

OSIシステムでユーザーが作成したアプリケーション・プログラムを起動するには、IBMメインフレームのIMS/DCでユーザー・サーバーに対応するサーバーを用意する必要があります。

以下は、OSIの運用に使用されるユーザー・サーバーについての説明です。

区分 説明

MPPユーザー・サーバー

IMS/DCのMPPリージョンに対応されます。OSIでは、メッセージのクラス単位でMPPサーバーを運用します。つまり、既存のIMS/DCの各MPPリージョンと1対4で対応されるサーバーです。

BMPユーザー・サーバー

IMS/DCのBMPリージョンで実行されるユーザー・プログラムを運用するためのサーバーです。

OSIユーザー・サーバーは、すべてTPモニターのTmaxによって管理されます。そのため、OSIユーザー・サーバーを運用するには、ユーザー・サーバーの情報をTmaxに登録する必要があります。また、そのサーバーをTmaxに登録するにはTmaxの環境設定ファイルを作成します。

ユーザー・サーバーを準備する際に、MPPユーザー・サーバーとBMPタイプのユーザー・サーバーを準備する手順は異なります。バッチ・ジョブを実行させるBMPリージョンはシステムが提供するサーバー・モジュールを利用するため、サーバーを別途作成しませんが、同時に実行するBMPジョブの最大数を考慮して設定する必要があります。

2. サーバー・グループの設定

以下は、サーバー・グループの環境設定の例です。

2.1. 一般環境設定

OSIの一般環境設定の例です。

*SVRGROUP
svg_node1
    NODENAME = "NODE1"

2.2. XA環境設定

OSIが使用するHiDBとTiberoをMultiple RMとして設定したXA環境設定の例です。

*SVRGROUP
svg_node1
    NODENAME = "NODE1"
    SVGTYPE = MTMAX,
    SVGLIST = "svg_hidb_xa,svg_tibero_xa"

svg_hidb_xa
    NODENAME = "NODE1"
    SVGTYPE = STMAX,
    TMSNAME = tms_tbr,
    DBNAME = TIBERO,
    OPENINFO = "TIBERO_XA:user=tibero, pwd=tmax, sestm=60,db=tb_fix3,conn_id=db1"

svg_tibero_xa
    NODENAME = "NODE1"
    SVGTYPE = STMAX,
    TMSNAME = tms_tbr,
    DBNAME = TIBERO,
    OPENINFO = "TIBERO_XA:user=tibero, pwd=tmax, sestm=60,db=tb_fix3"

${TAXMDIR}/config/RMにMultiple RMが設定されたサーバーが動的にロードするライブラリを指定します。

#TIBERO
TIBERO:tbxa,tbs

# IBM MQ for 64bit
MQ:mqmxa64,mqs

# IBM MQ for 32bit
MQ:mqmxa,mqs
  1. HiDBのためのXA設定が必要な場合は、Tmax設定ファイルに関連する設定を追加する必要があります。OpenFrame環境設定のssm.{IMSID}{SSM}サブジェクト、GENERALセクション、DLI_CONN_IDキーのVALUE項目の値とTmax設定ファイルのSVRGROUP設定のOPENINFOに指定したconn_idが一致する必要があります。詳細については、OpenFrame OSI『環境設定ガイド』の「OpenFrame OSI環境設定」を参照してください。

  2. XA設定を行うと、ユーザー・サーバーはそのサーバー・グループ内のすべてのデータベースに対してセッションを持つことになります。

3. MPPユーザー・サーバー

IMS/DCのMPPリージョンに対応します。既存のIMS/DCで運用していた1つのMPPリージョンに最大4つのMPPユーザー・サーバーで対応します。ユーザーが作成したMPPアプリケーションは、IMS/DCで動作していた方式と同様に、MPPユーザー・サーバーでスケジューリングされて動作します。

システム・サーバーと同様に、MPPユーザー・サーバーもTPモニターのTmaxによって管理されます。Tmaxの管理を受けるには、Tmaxの環境設定ファイルを作成する必要があります。

以下は、OSIでMPPユーザー・サーバーを使用するために、Tmax環境設定ファイルにサーバーとサービスを共通して設定する例と、IMSAというIMSシステムでトランザクション・クラス1、2、3、4を処理できるサーバーを設定する例です。

  • 共通設定

    Tmax環境設定ファイルに[SERVER]セクションと[SERVICE]セクションを設定します。サービスは、各IMSシステムごとに設定する必要がなく、共通して設定します。

    *SERVER
    OSIMPPSVR       SVGNAME = svg_node1, MIN = 0, MAX = 10
    
    *SERVICE
    OSIMPPSVRSVC        SVRNAME = OSIMPPSVR, SVCTIME=60
    OSIMPPSVRMGR        SVRNAME = OSIMPPSVR, SVCTIME=60
  • 各IMSシステムごとに設定

    IMSIDとメッセージのクラスで区分し、各サーバー名にプレフィックスとサフィックスとして付加して設定します。IMSIDとクラスが異なる場合は、以下例の太字の部分を変更します。IMSAMPP_TCL1~4サーバーのバイナリ名であるOSIMPPSVRは、TARGETオプションを使用して指定します。

    *SERVER
    IMSAMPP_TCL1    SVGNAME = svg_node1, MIN = 1, MAX = 10,
                    TARGET = OSIMPPSVR
    IMSAMPP_TCL2    SVGNAME = svg_node1, MIN = 1, MAX = 10,
                    TARGET = OSIMPPSVR
    IMSAMPP_TCL3    SVGNAME = svg_node1, MIN = 1, MAX = 10,
                    TARGET = OSIMPPSVR
    IMSAMPP_TCL4    SVGNAME = svg_node1, MIN = 1, MAX = 10,
                    TARGET = OSIMPPSVR

    Tmax環境設定にMPPユーザー・サーバーを設定する場合は、MAX値に注意する必要があります。MAX値は、MPPユーザー・サーバーで同時処理できるトランザクションの数であり、起動するMPPの最大数を設定すると、MPPユーザー・サーバーは、IMS/DCのMPPリージョンと同様に動作します。

4. BMPユーザー・サーバー

BMPユーザー・サーバーは、IMS/DCのBMPリージョンで動作するユーザー・プログラムを運用するためのサーバーです。MPPユーザー・サーバーは、各ユーザー・サーバーごとにモジュールを作成しますが、BMPユーザー・サーバーは、すべてのユーザー・サーバーに対して1つの製品で提供されたBMPユーザー・サーバー・モジュールを使用します。

BMPユーザー・サーバーは、OSIのサーバー・モジュールが製品に含まれ提供されるため、MPPユーザー・サーバーと違って別途作成する必要がなく、OSIシステムに設定のみ必要です。

システム・サーバーと同様に、BMPユーザー・サーバーもTPモニターのTmaxによって管理されるため、Tmaxの環境設定ファイルを作成する必要があります。

以下は、Tmaxの環境設定ファイルにBMPユーザー・サーバーを設定する例です。

  • 共通設定

    Tmax環境設定ファイルに[SERVER]セクションと[SERVICE]セクションを設定します。

    *SERVER
    osibmpsv        SVGNAME = svg_node1, MIN = 0, MAX = 10, SVRTYPE = UCS,
                    RESTART = NO
    
    *SERVICE
    OSIBMPSVSVC         SVRNAME = osibmpsv
    OSIBMPSVSHUTDOWN    SVRNAME = osibmpsv
  • XA設定

    ssm.{IMSID}{SSM}設定の名前で区分し、サーバー名にサフィックスとして追加して設定します。SSM設定が異なる場合は、以下例の太字の部分を変更します。osibmpsv.DB2Tサーバーのバイナリ名であるosibmpsvはTARGETオプションを使用して指定します。

    *SERVER
    osibmpsv.DB2T   SVGNAME = svg_node1, MIN = 0, MAX = 10, SVRTYPE = UCS,
                    TARGET = osibmpsv, RESTART = NO

Tmaxの環境設定にBMPユーザー・サーバーを設定する際は、MAX値の設定に注意が必要です。MAX値は、OSIで同時に有効にできるBMPジョブの数を示します。