紹介

本章では、MFS(Message Format Service)の基本概念と構成要素について説明します。

1. 基本概念

MFSは、ユーザーが必要に応じてTN3270画面を構成できるようにサポートするモジュールです。MFSは、端末とユーザー・アプリケーションの間で、ユーザー・データを端末の種類に応じて画面に表示します。また、画面から入力されたデータをユーザー・データに合わせて構成します。

figure 1 1
MFSの処理手順
  1. 端末からデータが入力されます。(Device Input)

  2. MFSを介して、入力されたデータを処理するアプリケーションにメッセージを送信します。(Input Message)

  3. アプリケーションが処理した結果をメッセージとしてMFSに送信します。(Output Message)

  4. 結果画面を端末に表示します。(Device Output)

2. 構成要素

MFSは、MFSフォーマット・コンパイラー・ツール、MFSライブラリで構成されています。

  • MFSフォーマット・コンパイラー・ツール

    MFS構文に従って作成されたフォーマット・ファイルを機械語にコンパイルするツールです。osimfsgenがこれに該当します。

  • MFSライブラリ

    端末とユーザー・サーバー(従属地域)間で送受信するメッセージをシステム・サーバー(制御領域)で変換する際に使用されます。

以下の図は、MFSの構成要素の関係を示します。

figure 1 2
MFSの構成要素

2.1. MFSフォーマット・コンパイラー・ツール(osimfsgen)

osimfsgenは、MFS構文に従って作成されたフォーマット・ファイル(画面情報をマクロで定義したテキスト・ファイル)を機械語にコンパイルするツールです。

osimfsgenを使用して、MID、MOD、DIF、DOFなどの4つのバイナリ・ファイルが作成されます。(物理的には、DIFとDOFは1つのファイルです。)

  • MID(Message Input Descriptor)

    DIFから入力された画面情報を受信し、トランザクション情報と一緒に入力データをユーザー・アプリケーションに送信します。

  • MOD(Message Output Descriptor)

    ユーザー・アプリケーションの結果として端末にデータを送信するか、ユーザーがMOD名を入力すると、MODに接続されたDOFを介して画面情報とデータが画面に表示します。

  • DIF(Device Input Format)

    画面に出力される情報のうち、入力可能なフィールドの情報を管理します。

  • DOF(Device Output Format)

    画面に出力されるすべての情報を管理します。

以下の図は、MFSバイナリの関係を示します。現在のバージョンでは、ユーザー・サーバー(従属サーバー)からMFSライブラリを介してTN3270端末に出力メッセージを送信することができます。

figure 1 3
MFSバイナリの関係

各バイナリ・シンボルはフォーマット・ファイルに記述されたマクロをベースに作成されます。DFLDマクロは、DOFとDIFの情報作成に影響を与え、MFLDマクロは、MODとMIDの情報作成に影響を与えます。

osimfsgenツールの使用方法についての詳細は、OpenFrame OSI『ツールリファレンスガイド』を参照してください。

2.2. MFSライブラリ

メッセージの変換は、端末からシステム・サーバー(制御領域)に、ユーザー・サーバー(従属領域)から端末に送信されるときに行われます。そのとき、システム・サーバーまたはユーザー・サーバーは、起動時に使用されたJCLのフォーマット・ライブラリ内にあるバイナリ・ファイルを読み込んで変換を行いますが、このような機能をMFSライブラリが提供しています。