OSCシステムの設定

OSCリージョンを運用するには、OpenFrame OSCの設定とOpenFrameのベース環境を構成するTmaxの環境設定ファイルの設定が必要です。本章では、OSCシステムの起動に必要な環境構成について説明します。

1. OSCの設定

OSCシステムを起動するには、OpenFrameシステム情報とアプリケーション・サーバー、OSC TDQログ・サーバーの情報と運用に関する情報が設定されている必要があります。

  • OSC設定ファイル

    以下は、OSC設定ファイルの説明です。詳細については、各節の説明を参照してください。

    設定ファイル 説明

    ofsys.seq

    OpenFrame Base、OpenFrame BatchなどのOpenFrameシステム・サーバー名をそれぞれ改行して記述します。このファイルは、システムの起動と終了時に使用されます。

    ofosc.seq

    OSCMQSVRなどのOSCユーザー・サーバーを使用する場合、このファイルにそれぞれのサーバー名を改行して記述します。このファイルは、システムの起動と終了時に使用されます。

    osc.region.list

    OSCリージョン名をそれぞれ改行して記述します。このファイルは、システムの起動と終了時に使用されます。

  • OSC環境設定

    OSCの運用に関するシステム設定を、openframe_osc.confの各「SECTION」「KEY」に設定した後、ofconfigツールを使用して保存します。

    以下は、各サブジェクトの説明です。

    サブジェクト 説明

    cobnet

    .NETアプリケーションでCOBOLアプリケーションを呼び出すために提供するcobnetサーバーで使用する設定を行います。

    osc

    OSCシステムの共通情報を設定します。

    osc.{servername}

    OSCアプリケーション・サーバーで使用する設定を行います。

    osc.{osctlsvrname}

    OSCリージョンでログ・タイプTDQを使用する場合、TDQログ・サーバーで使用する設定を行います。

    osc.{oscmqsvrname}

    IBM WebSphere MQのQueue Trigger Monitorを利用するために提供するサーバーで使用する設定を行います。

サブジェクトの設定方法については、OpenFrame OSC『環境設定ガイド』を参照してください。

1.1. ofsys.seq

ofsys.seqは、OpenFrameシステム・サーバーを設定するファイルであり、OSCシステムの起動と終了時に使用されます。OpenFrameシステム・サーバー名を起動する順に改行して記述します。システムの終了時には、起動時と逆の順序で終了します。

以下は、ofsys.seqファイルにofrlmsvr、ofrlmwrk、ofrsmlogの3つのOpenFrameシステム・サーバーを設定した例です。

ofrlmsvr
ofrlmwrk
ofrsmlog

1.2. ofosc.seq

ofosc.seqは、OSCシステムの起動時に起動するOSCユーザー・サーバーを設定するファイルであり、OSCシステムの起動と終了時に使用されます。ユーザー・サーバー名を起動する順に改行して記述します。OSCMQSVRを使用する場合に設定します。

以下は、ofosc.seqファイルにOSCMQ001というOSCユーザー・サーバーを設定した例です。

OSCMQ001

1.3. osc.region.list

osc.region.listは、動作するOSCリージョンを設定するファイルであり、OSCシステムの起動と終了時に使用されます。リージョン名を起動する順に改行して記述します。システムの起動・終了時に、記述された順序に起動および終了します。

以下は、osc.region.listファイルにOSC00001、OSC00002の2つのOSCリージョンを設定した例です。

OSC00001
OSC00002

2. Tmax環境設定ファイルの設定

OSCはTmaxをベースに動作します。したがって、OSCが正常に動作するためには、Tmax環境設定ファイルにOSCが必要とするサーバーやサービスが登録されている必要があります。

OSCサーバーには、OSCリージョンに属するOSCアプリケーション・サーバーとOSCアプリケーション補助サーバー、そしてOSCユーザー・サーバー、OSCシステム・サーバーなどがあります。OSCアプリケーション・サーバーとOSCアプリケーション補助サーバーは、ユーザーのリージョン構成に従ってTmax環境設定の内容が変わり、OSCユーザー・サーバーは、ユーザーのシステム構成に従って変わります。OSCシステム・サーバーのTmax環境設定は、ユーザーのリージョン構成とは関係なく、常に同じです。

本節では、OSCシステム・サーバーのためのTmax環境設定ファイルの設定方法について説明し、次にOSCユーザー・サーバーの設定方法について説明します。

リージョン構成に基づくOSCアプリケーション・サーバーと補助サーバーの設定方法については、Tmax環境設定ファイルの設定を参照してください。

2.1. サーバー・グループの設定

[SVRGROUP]セクションには、OSCシステム・サーバーの特性に応じて2つのサーバー・グループを設定します。シングル・ノード環境では各サーバー・グループが同じ設定を持ちますが、マルチノード環境では各グループの特性に応じてCOUSIN、BACKUP、LOADの設定が異なります。

サーバー・グループは、svgotpn、svgotpbの2つのグループがあります。

グループ名 説明

svgotpn

マルチノード環境でノード間の負荷分散とバックアップをサポートしないグループです。

svgotpb

マルチノード環境でノード間のバックアップはサポートしますが、負荷分散はサポートしないグループです。

以下は、シングル・ノード環境における[SVRGROUP]セクションの設定例です。

*SVRGROUP
svgotpn         NODENAME = "NODE1"
svgotpb         NODENAME = "NODE1"

以下は、NODE1、NODE2の2つのノードで構成されたマルチノード環境における[SVRGROUP]セクションの設定例です。

*SVRGROUP
svgotpn         NODENAME = "NODE1", COUSIN = svgotpn2, LOAD = -1
svgotpn2        NODENAME = "NODE2", LOAD = -1
svgotpb         NODENAME = "NODE1", BACKUP = svgotpb2
svgotpb2        NODENAME = "NODE2"

2.2. システム・サーバーの設定

OSCシステム・サーバーは、[SERVER]セクションに登録します。登録するサーバーは、oscmgr、oscmcsvr、oscmnsvr、oscncsvr、oscscsvr、oscdfsvr、oscjcsvrの7つのOSCシステム・サーバーです。

以下は、[SERVER]セクションの設定例です。サーバー設定はノード構成に関係なく、以下の例のように設定します。

*SERVER
oscmgr           SVGNAME = svgotpn, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"
oscmcsvr         SVGNAME = svgotpn,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"
oscmnsvr         SVGNAME = svgotpn, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"
oscncsvr         SVGNAME = svgotpb, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"
oscscsvr         SVGNAME = svgotpb, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"
oscdfsvr         SVGNAME = svgotpb, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"
oscjcsvr         SVGNAME = svgotpb, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
                 CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err"

2.3. システム・サーバー・サービスの設定

[SERVICE]セクションには、OSCシステム・サーバーで必要とするサービスを登録します。

以下は、[SERVICE]セクションの設定例です。サービス設定はノード構成に関係なく、以下の例のように設定します。

*SERVICE
# oscmgr
OSCMGRSVC       SVRNAME = oscmgr
OSCMGRREGLIST   SVRNAME = oscmgr
OSCMGRTERMLIST  SVRNAME = oscmgr
OSCMGRDISCONN   SVRNAME = oscmgr
OSCMGRHOURGLASS SVRNAME = oscmgr

# oscmcsvr
OSCMCSVRSMFW    SVRNAME = oscmcsvr

# oscncsvr
OSCNCSVRDEFINE  SVRNAME = oscncsvr
OSCNCSVRDELETE  SVRNAME = oscncsvr
OSCNCSVRGET     SVRNAME = oscncsvr
OSCNCSVRQUERY   SVRNAME = oscncsvr
OSCNCSVRREWIND  SVRNAME = oscncsvr
OSCNCSVRUPDATE  SVRNAME = oscncsvr
OSCNCSVRBROWSE  SVRNAME = oscncsvr

# oscscsvr
OSCSCSVRSTART   SVRNAME = oscscsvr
OSCSCSVRDELAY   SVRNAME = oscscsvr
OSCSCSVRCANCEL  SVRNAME = oscscsvr
OSCSCSVRINFO    SVRNAME = oscscsvr
OSCSCSVRCONTROL SVRNAME = oscscsvr

# oscdfsvr
OSCDFSVRBRKE    SVRNAME = oscdfsvr
OSCDFSVRBRIN    SVRNAME = oscdfsvr
OSCDFSVRCHCK    SVRNAME = oscdfsvr
OSCDFSVRRESP    SVRNAME = oscdfsvr
OSCDFSVRREIN    SVRNAME = oscdfsvr
OSCDFSVRSETF    SVRNAME = oscdfsvr

# oscdfsvr
OSCJCSVRFLUSH   SVRNAME = oscjcsvr
OSCJCSVRWRITE   SVRNAME = oscjcsvr

2.4. ユーザー・サーバーの設定

OSCユーザー・サーバーは、[SERVER]セクションに登録します。登録可能なサーバーは、OSCMQSVRです。

以下は、[SERVER]セクションの設定例です。ユーザー・サーバーはノード構成によって設定が異なることがあります。以下の例では、OSCMQ001というOSCMQSVRサーバーを設定しています。

*SERVER
OSCMQ001      SVGNAME = svgotpu, TARGET = oscmqsvr, MAX = 1, SVRTYPE = UCS,
              CLOPT = "-o $(SVR).out -e $(SVR).err -n"

3. TCacheの設定

マルチノード・クラスタリング機能をサポートするために、RTSDやアプリケーション・サーバー間で共有が必要な情報をデータベース・テーブルで管理しますが、更新が頻繁に発生しないテーブルを検索する場合は、TCacheを使用することで、データベースへのアクセスによるパフォーマンスの低下を最小限に抑えられます。

TCacheの設定はノードごとに行います。使用する共有メモリ・キーとリージョン別テーブル情報を設定します。

基本設定の詳細については『Tmax TCacheガイド』を参照してください。

4. WASサーブレットの設定

外部からの要求をOSCに送信したい場合は、OSCアプリケーションをWebアプリケーション・サーバー(WAS)にデプロイして、データを加工すると送信することができます。現在外部のクライアントがHTTPプロトコル要求をOSCに送信した場合、WASを介してOSCに転送されます。

本節では、OSCサーバーに要求を送信する際に使用されるWASのサーブレットの設定方法を説明します。

4.1. oschttp

oschttpは、外部からHTTP要求が送られたときに、OSCに要求を送信するためにデータを加工するサーブレットです。

OSCをインストールすると、以下のパスにサーブレット・ファイルと必要な設定ディレクトリがあります。このサーブレットを使用するには、運用環境のWASに直接デプロイしてください。

$OPENFRAME_HOME/osc/oschttp/

oschttpサーブレットを使用するためにデプロイする方法については、使用されているWAS製品のマニュアルを参照してください。

4.1.1. oschttp.properties

oschttp.propertiesファイルに要求が送信されるOSCの情報を設定します。

TMAXIP = tmax_ip
TMAXPORT = tmax_port
ENDIAN = [BIG_ENDIAN | LITTLE_ENDIAN]
REGIONNAME = region_name
TCLNAME = tranclass_name

以下は、設定項目についての説明です。

項目 説明

TMAXIP

要求が送信されるOSCのTmaxのIPアドレスを指定します。

TMAXPORT

要求が送信されるOSCのTmaxのポート番号を指定します。

ENDIAN

OSCのオペレーティング・システムのエンディアン形式を指定します。

REGIONNAME

要求が送信されるOSCのリージョン名を指定します。

TCLNAME

要求が送信されるOSCのトランザクションクラス名を指定します。

以下は、oschttp.propertiesファイルの設定例です。

TMAXIP = 192.168.190.129
TMAXPORT = 8888
ENDIAN = BIG_ENDIAN
REGIONNAME = OSC00001
TCLNAME = TCL1