データ管理サービス
本章では、データ格納リソースを管理するデータ管理サービスについて説明します。
2. ファイル制御
OSCアプリケーション・プログラムはTSAMデータセットを使用してデータを管理できます。TSAMデータセットは、IBMメインフレームのVSAMデータセットに対応するOpenFrameシステムのファイル・システムです。
OSCアプリケーション・プログラムがTSAMデータセットにアクセスする方法は、IBMメインフレームのCICSアプリケーション・プログラムがVSAMデータセットにアクセスする方法と同じであり、その機能も同じです。ユーザーはTSAMデータセットのデータを検索・保存・削除することができ、他のアプリケーション・サーバーが管理するファイルに関数シッピング機能でアクセスすることができます。
OSCアプリケーション・サーバーは、TSAMデータセットの中でKSDS、ESDS、RRDSの3種類のデータセットへのアクセスをサポートします。
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キー順データセット(KDSD: Key-Sequenced Dataset)
各レコードが固有のキーで識別されるデータセットです。
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入力順データセット(ESDS: Entry-Sequenced Dataset)
相対バイト・アドレス(RBA: Relative Byte Address)によってレコードが識別されるデータセットです。
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相対レコードデータセット(RRDS: Relative Record Dataset)
相対レコード番号(RRN: Relative Record Number)によってレコードが識別されるデータセットです。
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ファイル制御コマンド
レコード関連コマンドは以下のように分類されます。
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レコード閲覧および順次検索
コマンド 説明 特定ファイルに対する順次検索の最後を知らせます。
データセットの特定レコードを読み込みます。
順次検索中に次のレコードを読み込みます。
順次検索中に前のレコードの読み込みます。
順次検索の位置を再設定します。
順番にデータセットのレコードを読み込むとき、最初に読み込むレコードの位置を指定します。
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レコードの追加、削除、変更コマンド
コマンド 説明 KSDS、RRDSタイプのデータセットのみレコードを削除します。
レコードを変更します。
レコードを追加します。
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レコードのロック解除コマンド
コマンド 説明 閲覧および検索コマンドのUPDATEオプションでレコードに掛けられたロックを解除します。
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ファイル管理コマンド
コマンド 説明 ファイル・リソース定義情報を返します。
OSCアプリケーション・サーバーが使用するファイルの状態および属性を変更します。
このうちファイル・レコードを閲覧および検索する方法には以下の2つがあります。
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直接読み込み
レコード1つを直接読み込むときに使用します。READコマンドを使用します。
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順次読み込み
レコードを順番に1つずつ読み込むときに使います。READNEXT、READPREVコマンドで読み込み、STARTBR、RESETBR、ENDBRコマンドで順次検索の開始時点の指定、再設定、終了時点の指定を行います。
2.1. DELETE
KSDS、RRDSタイプのデータセットのみレコードを削除できます。レコードを以前閲覧および検索コマンドのUPDATEオプションを使って取得したトークン値で識別して削除する方法と、RIDFLD値で削除する2つの方法があります。
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構文
EXEC CICS DELETE [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 FILE
レコードを削除するファイルの名前を指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
GENERIC
KEYLENGTHオプションに表示された値がGENERICキーであるかを指定します。
NUMREC
削除されたレコードの数を返します。
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
RIDFLD
指定するレコードの識別フィールドを指定します。
-
KSDS : レコードのキー
-
RRDS : RRN値
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
TOKEN
READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションから取得したトークン値を指定します。
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2.2. ENDBR
特定ファイルに対する順次検索の最後を知らせます。
-
構文
EXEC CICS ENDBR [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 FILE
読み込むファイルの名前を指定します。
REQID
STARTBRコマンドから取得した順次検索要求IDを指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
2.3. INQUIRE FILE
ファイル・リソース定義情報を返します。
-
構文
EXEC CICS INQUIRE FILE [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 ADD
ファイルにレコードを追加できるかどうかを返します。
BROWSE
ファイルを閲覧できるかどうかを返します。
DELETE
ファイル・レコードを削除できるかどうかを返します。
DSNAME
ファイルの定義に関連するVSAMオブジェクトの44文字の名前を返します。
ENABLESTATUS
アプリケーション・プログラムがファイルにアクセスできるかどうかを返します。
END
ブラウジングを中止します。
FILE
照会するファイルの名前の8文字を指定します。
KEYLENGTH
VSAM KSDSに関連するファイル、またはカップリング・ファシリティ・データ・テーブル(CFDT)に関連するファイルのレコード・キーの長さを返します。
MAXNUMRECS
ファイルのデータ・テーブルに保存できる最大のレコード数を返します。
NEXT
INQUIREコマンドを繰り返し実行します。1つのリソース定義が返されます。
OPENSTATUS
ファイルの開閉状態、処理状態を返します。
READ
ファイル・レコードを照会できるかどうかを返します。
RECORDFORMAT
ファイル・レコード形式を返します。
RECORDSIZE
固定長レコードの実際のサイズ、または可変長レコードの最大長を返します。
REMOTENAME
REMOTESYSTEMオプションで指定されたOSCリージョンのファイルの8文字を返します。
REMOTESYSTEM
OSCリージョンの4文字の名前を返します。
START
ブラウジングを開始します。
UPDATE
ファイルをアップデートできるかどうかを返します。
ACCESSMETHOD、BASEDSNAME、BLOCKFORMAT、BLOCKKEYLEN、BLOCKSIZE、CFDTPOOL、CHANGEAGENT、CHANGEAGREL、CHANGETIME、CHANGEUSRID、DEFINESOURCE、DEFINETIME、DISPOSITION、EMPTYSTATUS、EXCLUSIVE、FWDRECSTATUS、INSTALLAGENT、INSTALLTIME、INSTALLUSRID、JOURNALNUM、KEYPOSITION、LOADTYPE、LSRPOOLNUM、OBJECT、RBATYPE、READINTEG、RECOVSTATUS、RELTYPE、REMOTETABLE、RLSACCESS、STRINGS、TABLE、TABLENAME、TYPE、UPDATEMODELオプションはサポートしていません。
2.4. READ
データセットの特定レコードを読み込みます。
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構文
EXEC CICS READ [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 EQUAL
レコードを検索するときにRIDFLD値と等しいレコードのみ読み込むようにします。
FILE
読み込むファイル名を指定します。
GENERIC
KEYLENGTHオプションに表示されている値がGENERICキーであるかを指定します。
GTEQ
レコードを検索するときにRIDFLD値と等しいか大きい値を持つレコードを読み込みます。
INTO
取得するデータの保存領域を指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
LENGTH
読み込むレコード・バッファー(INTOオプションに指定)のデータ長を指定します。
SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。
NOSUSPEND
レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
RIDFLD
読み込むレコードの識別フィールドを指定します。
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KSDS : レコードのキー
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ESDS : RBA値
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RRDS : RRN値
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SET
取得するデータが保存された場所のポインター参照を指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
TOKEN
READ UPDATEの固有の識別子を返します。
UPDATE
レコードの変更または削除のためのロックを指定します。
DEBKEY、DEBRECオプションは構文解析のみサポートしています。
-
2.5. READNEXT
順次検索中に次のレコードを読み込みます。すでにSTARTBRコマンドで順次検索を開始したファイルである必要があります。
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構文
EXEC CICS READNEXT [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 FILE
読み込むファイルの名前を指定します。
INTO
取得するデータの保存領域を指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
LENGTH
読み込むレコード・バッファー(INTOオプションに指定)のデータ長を指定します。
SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。
NOSUSPEND
レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。
RIDFLD
読み込むレコードの識別フィールドを指定します。
-
KSDS : レコードのキー
-
ESDS : RBA値
-
RRDS : RRN値
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
REQID
STARTBRから取得した順次検索要求IDを指定します。
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SET
取得するデータが保存された場所のポインター参照を指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
TOKEN
READ UPDATEに対する固有の識別子を返します。
UPDATE
レコードの変更または削除のためのロックを指定します。
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2.6. READPREV
順次検索中に前のレコードを読み込みます。すでにSTARTBRコマンドで順次検索を開始したファイルである必要があります。
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構文
EXEC CICS READPREV [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 FILE
読み込むファイルの名前を指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
INTO
取得するデータの保存領域を指定します。
LENGTH
読み込むレコード・バッファー(INTOオプションに指定)のデータ長を指定します。
SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。
NOSUSPEND
レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
REQID
STARTBRから取得した順次検索要求IDを指定します。
RIDFLD
読み込むレコードの識別フィールドを指定します。
-
KSDS : レコードのキー
-
ESDS : RBA値
-
RRDS : RRN値
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SET
取得するデータが保存されている場所のポインター参照を指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
TOKEN
READ UPDATEに対する固有の識別子を返します。
UPDATE
レコードの変更または削除のためのロックを指定します。
-
2.7. RESETBR
順次検索の位置を再設定するコマンドです。再設定するファイルはSTARTBRコマンドで順次検索を開始したファイルである必要があります。
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構文
EXEC CICS RESETBR [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 EQUAL
RIDFLD値と等しいレコードに新しい位置を指定します。
FILE
順次検索の位置を再設定するファイルの名前を指定します。
GENERIC
KEYLENGTHオプションに表示された値がGENERICキーであるかを指定します。
GTEQ
RIDFLD値と等しいか大きい値を持つレコードの新しい位置を指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
REQID
STARTBRから取得した順次検索要求IDを指定します。
RIDFLD
指定するレコードの識別フィールドを指定します。
-
KSDS : レコードのキー
-
ESDS : RBA値
-
RRDS : RRN値
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
-
2.8. REWRITE
レコードを変更します。REWRITEコマンドを実行する前に、READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションを使って読み込んだレコードに限って変更できます。
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構文
EXEC CICS REWRITE [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 FILE
レコードを変更するファイルの名前を指定します。
FROM
記録するレコードのデータを指定します。
LENGTH
記録するレコードの長さを指定します。
SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。
NOSUSPEND
レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
TOKEN
READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションで取得したトークン値を指定します。
2.9. SET FILE
SET FILEコマンドを使ってOSCアプリケーション・サーバーが使用するファイルの状態および属性を変更できます。特定ファイルを開いたり閉じたりすることや、プログラムでファイルを有効または無効にすることができます。また、ファイル属性の変更が可能です。
-
構文
EXEC CICS SET FILE [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 ADD
ファイルにレコードを追加できるかどうかを指定します。
ADDABLE
ファイルにレコードを追加できるように設定します。
BROWSABLE
ファイルを閲覧できるように設定します。
BROWSE
ファイルを閲覧できるかどうかを指定します。
CFTABLE
ファイル名はカップリング・ファシリティ・データ・テーブル(CFDT)を示します。
CICSTABLE
ファイル名は保守データ・テーブルを示します。
CLOSED
ファイルを閉じます。
CONSISTENT
読み取り整合性レベルを「CONSISTENT」に指定します。
DELETE
ファイル・レコードを削除できるかどうかを指定します。
DELETABLE
ファイル・レコードを削除できるように設定します。
DISABLED
ファイルを使用できない状態に変更します。
DSNAME
ファイルに使用されるデータセット名を指定します。
EMPTYREQ
データセットが「REUSABLE」に定義されている場合、データセットを参照するファイルが非RLSモードで開かれた際にデータセットが空の状態で開かれるように設定します。
EXCTL
アップデートのために読み取りが実行される際に、ファイルの記録を完全に制御します。
ENABLESTATUS
ファイルを使用できる状態または使用できない状態に変更します。
ENABLED
ファイルを使用できる状態に変更します。
FILE
状態および属性を変更するファイルの名前を指定します。
FORCE
ファイルを使用するすべてのタスクが異常終了し、ファイルは即時DISABLEDまたはCLOSED状態になります。制御権はアプリケーション・プログラムに戻ります。
KEYLENGTH
カップリング・ファシリティ・データ・テーブルにあるレコードのキー長をフルワード2進数で指定します。値は1~16の範囲であり、キー長を削除するには、KEYLENGTH(0)に設定します。
LOAD
ソース・データセットを使用する前にカップリング・ファシリティ・データ・テーブルを呼び出します。
NOLOAD
ソース・データセットを使用する前にカップリング・ファシリティ・データ・テーブルを呼び出しません。
MAXNUMRECS
データ・テーブルが保持できる最大のレコード数をフルワード2進数で指定します。値は1~99999999の範囲であり、制限をなくすには、MAXNUMRECS(0)に設定します。
NOEMPTYREQ
データセットが「REUSABLE」に定義されていても、データセットを参照するファイルを開く際に空になるように設定しません。
NOEXCTL
アップデートのために読み取りが実行される際に、ファイルの記録を完全に制御しません。
NOTADDABLE
ファイルにレコードを追加できないように設定します。
NOTBROWSABLE
ファイルを閲覧できないように設定します。
NOTDELETABLE
ファイル・レコードを削除できないように設定します。
NOTREADABLE
ファイル・レコードを照会できないように設定します。
NOTRLS
次回ファイルを開く際にLSRまたはNSRモードで開きます。
NOTTABLE
ファイル名がデータ・テーブルを示しません。
NOTUPDATABLE
ファイル・レコードを更新できないように設定します。
NOWAIT
SET要求が待機されたら直ちにアプリケーション・プログラムに制御権を返すことを除いてはWAITと同じです。
OLD
SET FILE DISPOSITIONコマンドを実行時にファイルが開いている場合、DISPOSITION値を「OLD」に置き換えます。
OPENSTATUS
ファイルを開いたり閉じたりします。
OPEN
ファイルを開きます。
READ
ファイル・レコードを照会できるかどうかを指定します。
RECORDSIZE
カップリング・ファシリティ・データ・テーブルの最大レコードをフルワード2進数で指定します。値は1~32767の範囲であり、以前定義された値を削除するには、レコードのサイズを0に設定します。
RLS
次回ファイルを開く際にRLSアクセス・モードで開きます。
READABLE
ファイル・レコードを照会できるように設定します。
REPEATABLE
読み取り整合性レベルを「REPEATABLE」に指定します。
RLSACCESS
RLSモードでファイルにアクセスするかどうかを指定します。RLSアクセスと非RLSアクセスのいずれかに変更するには、ファイルを閉じてDISABLED状態に設定します。
SHARE
SET FILE DISPOSITIONコマンドを実行時にファイルが開いている場合、DISPOSITION値を「SHARE」に置き換えます。
UNCOMMITTED
読み取り整合性を使用しないように指定します。
UPDATE
ファイル・レコードを更新できるかどうかを指定します。
WAIT
ファイルをDISABLEDまたはCLOSEDに設定する前に、ファイルに対するすべての動作が停止するまで待機します。(デフォルト値: WAIT)
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BUSY、DATASET、CFDTPOOL、DISPOSITION、OBJECTNAME、EMPTYSTATUS、EXCLUSIVE、LOADTYPE、LSRPOOLNUM、READINTEG、READINTEG、STRINGS、TABLE、TABLENAMEオプションはサポートしていません。
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CONTENTION、END、LOCKING、NEXT、START、UPDATABLE、UPDATEMODELオプションは構文解析のみサポートしています。
-
SET FILEコマンド以外に、BATCHのMTPBATCHの次のコマンドを使用してファイルの状態とパーミッションを変更することもできます。(CLOS <ファイル名>、OPEN <ファイル名>も可能)
CEMT SET FI<ファイル名> DISABLED CLOSED | ENABLE OPEN CEMT SET FI<ファイル名> [READ | NOREAD] [UPDATE | NOUPDATE] [ADDABLE | NOADDABLE] [BROWSE | NOBROWSE] [DELETE | NODELETE]
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2.10. STARTBR
順番にデータセット・レコードを読み込むとき、最初に読み込むレコードの位置を指定します。
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構文
EXEC CICS STARTBR [option …] END-EXEC.
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オプション
オプション 説明 EQUAL
RIDFLD値と等しいレコードの最初の順次検索の位置を指定します。
FILE
順次検索するファイルの名前を指定します。
GENERIC
KEYLENGTHオプションに表示された値がGENERICキーであるかを指定します。
GTEQ
RIDFLD値と等しいか大きい値を持つレコードの最初の順次検索の位置を指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
RIDFLD
読み込むレコードの識別フィールドを指定します。
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KSDS : レコードのキー
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ESDS : RBA値
-
RRDS : RRN値
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
REQID
順次検索の要求IDを指定します。
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
DEBKEY、DEBRECオプションは構文解析のみサポートしています。
-
2.11. UNLOCK
閲覧および検索コマンドのUPDATEオプションでレコードに実行中のロックを解除します。
READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションでレコードに実行中のロックを解除します。直接UNLOCKコマンドを要求しなくても、SYNCPOINTコマンドが実行される際やタスクが終了する際にロックが自動で解除されます。
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構文
EXEC CICS UNLOCK [option …] END-EXEC.
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オプション
オプション 説明 FILE
レコードを削除するファイルの名前を指定します。
TOKEN
READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションで取得したトークン値を指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
2.12. WRITE
レコードを追加します。
-
構文
EXEC CICS WRITE [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 FILE
レコードを追加するファイルの名前を指定します。
FROM
記録するレコードのデータを指定します。
KEYLENGTH
キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)
LENGTH
記録するレコードの長さを指定します。
SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。
MASSINSERT
MASSINSERTの一部としてレコードを記録するかを指定します。
NOSUSPEND
レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。
RBA
RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。
RIDFLD
指定するレコードの識別フィールドを指定します。
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KSDS : レコードのキー
-
ESDS : RBA値
-
RRDS : RRN値
RRN
RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。
SYSID
リモート・システムのSYSIDを指定します。
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3. 名前付きカウンター・サーバー
名前付きカウンター・サーバー(Named Counter Server : 以下、NCS)は、ユーザーが指定した名前で生成されたカウンターから値を取得する機能を提供します。ユーザー値を取得するたびにそのカウンター値が1つずつ増加する機能を提供し、その他に、コマンドやオプションによる最小値、最大値、増加値の設定、カウンターの再設定および削除など、多様な機能を提供します。
OSCアプリケーション・サーバーは2種類のカウンター(COUNTER、DCOUTNER)をサポートします。COUNTERはカウンター値として符号付きフルワード・バイナリ(fullword signed binary values)形式をサポートし、DCOUNTERは符号なしダブルワード・バイナリ(doubleword unsigned binary values)形式をサポートします。COUNTER、DCOUNTERの両方とも、コマンド・レベルにおける使用方法は同じです。ただし、特定タイプで生成されたカウンターには同じタイプのカウンター・コマンドを使ってのみアクセスできます。
カウンター・アクセス・コマンド
以下は、カウンター・アクセス・コマンドの一覧です。アプリケーション・プログラムは、以下のコマンドを使ってNCSにアクセスできます。各コマンドの詳細については該当する節を参照してください。
コマンド | 説明 |
---|---|
カウンターを作成します。 |
|
カウンターを削除します。 |
|
カウンターの次の値を取得します。 |
|
カウンター情報を取得します。 |
|
最大値に達したカウンターを元に戻します。 |
|
カウンターの現在の値をアップデートします。 |
3.1. DEFINE COUNTER|DCOUNTER
カウンターを作成します。
-
構文
EXEC CICS DEFINE COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 COUNTER|DCOUNTER
生成するカウンターの名前を指定します。
MINIMUM
カウンターの最小値を指定します。
MAXIMUM
カウンターの最大値を指定します。
POOL
使用するプール名を指定します。
VALUE
生成するカウンターの初期値を指定します。
3.2. DELETE COUNTER|DCOUNTER
カウンターを削除します。
-
構文
EXEC CICS DELETE COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 COUNTER|DCOUNTER
削除するカウンターの名前を指定します。
POOL
カウンターが存在するプール名を指定します。
3.3. GET COUNTER|DCOUNTER
カウンターの次の値を取得します。
-
構文
EXEC CICS GET COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 COMPAREMAX
カウンターから取得する値が現在指定されている値以下の場合に取得します。
COMPAREMIN
カウンターから取得する値が現在指定されている値以上の場合に取得します。
COUNTER|DCOUNTER
値を取得するカウンターの名前を指定します。
INCREMENT
値を取得した後のカウンターの増加値を指定します。
POOL
カウンターが存在するプール名を指定します。
REDUCE
カウンター値を減少させます。
VALUE
取得した値を保存する変数を指定します。
WRAP
カウンターが制限値に達すると自動で戻します。
3.4. QUERY COUNTER|DCOUNTER
カウンター情報を取得します。
-
構文
EXEC CICS QUERY COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
-
オプション
オプション 説明 COUNTER|DCOUNTER
カウンターの名前を指定します。
MAXIMUM
カウンターの最大値を取得します。
MINIMUM
カウンターの最小値を取得します。
POOL
カウンターが存在するプール名を指定します。
VALUE
現在の値を取得します。