データ管理サービス

本章では、データ格納リソースを管理するデータ管理サービスについて説明します。

1. 概要

OSCのデータ管理サービスは、OSCシステムが提供するデータ格納リソースをOSCアプリケーションで使用できるように管理する機能を提供します。

データ管理サービスには以下の機能があります。

2. ファイル制御

OSCアプリケーション・プログラムはTSAMデータセットを使用してデータを管理できます。TSAMデータセットは、IBMメインフレームのVSAMデータセットに対応するOpenFrameシステムのファイル・システムです。

OSCアプリケーション・プログラムがTSAMデータセットにアクセスする方法は、IBMメインフレームのCICSアプリケーション・プログラムがVSAMデータセットにアクセスする方法と同じであり、その機能も同じです。ユーザーはTSAMデータセットのデータを検索・保存・削除することができ、他のアプリケーション・サーバーが管理するファイルに関数シッピング機能でアクセスすることができます。

OSCアプリケーション・サーバーは、TSAMデータセットの中でKSDS、ESDS、RRDSの3種類のデータセットへのアクセスをサポートします。

  • キー順データセット(KDSD: Key-Sequenced Dataset)

    各レコードが固有のキーで識別されるデータセットです。

  • 入力順データセット(ESDS: Entry-Sequenced Dataset)

    相対バイト・アドレス(RBA: Relative Byte Address)によってレコードが識別されるデータセットです。

  • 相対レコードデータセット(RRDS: Relative Record Dataset)

    相対レコード番号(RRN: Relative Record Number)によってレコードが識別されるデータセットです。

  1. TSAMデータセットの詳細については、『Tibero TSAMガイド』を参照してください。

  2. ファイルの関数シッピング機能の詳細については、関数シッピングを参照してください。

ファイル制御コマンド

レコード関連コマンドは以下のように分類されます。

  • レコード閲覧および順次検索

    コマンド 説明

    ENDBR

    特定ファイルに対する順次検索の最後を知らせます。

    READ

    データセットの特定レコードを読み込みます。

    READNEXT

    順次検索中に次のレコードを読み込みます。

    READPREV

    順次検索中に前のレコードの読み込みます。

    RESETBR

    順次検索の位置を再設定します。

    STARTBR

    順番にデータセットのレコードを読み込むとき、最初に読み込むレコードの位置を指定します。

  • レコードの追加、削除、変更コマンド

    コマンド 説明

    DELETE

    KSDS、RRDSタイプのデータセットのみレコードを削除します。

    REWRITE

    レコードを変更します。

    WRITE

    レコードを追加します。

  • レコードのロック解除コマンド

    コマンド 説明

    UNLOCK

    閲覧および検索コマンドのUPDATEオプションでレコードに掛けられたロックを解除します。

  • ファイル管理コマンド

    コマンド 説明

    INQUIRE FILE

    ファイル・リソース定義情報を返します。

    SET FILE

    OSCアプリケーション・サーバーが使用するファイルの状態および属性を変更します。

このうちファイル・レコードを閲覧および検索する方法には以下の2つがあります。

  • 直接読み込み

    レコード1つを直接読み込むときに使用します。READコマンドを使用します。

  • 順次読み込み

    レコードを順番に1つずつ読み込むときに使います。READNEXTREADPREVコマンドで読み込み、STARTBRRESETBRENDBRコマンドで順次検索の開始時点の指定、再設定、終了時点の指定を行います。

2.1. DELETE

KSDS、RRDSタイプのデータセットのみレコードを削除できます。レコードを以前閲覧および検索コマンドのUPDATEオプションを使って取得したトークン値で識別して削除する方法と、RIDFLD値で削除する2つの方法があります。

  • 構文

    EXEC CICS DELETE [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    レコードを削除するファイルの名前を指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    GENERIC

    KEYLENGTHオプションに表示された値がGENERICキーであるかを指定します。

    NUMREC

    削除されたレコードの数を返します。

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    RIDFLD

    指定するレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • RRDS : RRN値

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

    TOKEN

    READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションから取得したトークン値を指定します。

2.2. ENDBR

特定ファイルに対する順次検索の最後を知らせます。

  • 構文

    EXEC CICS ENDBR [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    読み込むファイルの名前を指定します。

    REQID

    STARTBRコマンドから取得した順次検索要求IDを指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

2.3. INQUIRE FILE

ファイル・リソース定義情報を返します。

  • 構文

    EXEC CICS INQUIRE FILE [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    ADD

    ファイルにレコードを追加できるかどうかを返します。

    BROWSE

    ファイルを閲覧できるかどうかを返します。

    DELETE

    ファイル・レコードを削除できるかどうかを返します。

    DSNAME

    ファイルの定義に関連するVSAMオブジェクトの44文字の名前を返します。

    ENABLESTATUS

    アプリケーション・プログラムがファイルにアクセスできるかどうかを返します。

    END

    ブラウジングを中止します。

    FILE

    照会するファイルの名前の8文字を指定します。

    KEYLENGTH

    VSAM KSDSに関連するファイル、またはカップリング・ファシリティ・データ・テーブル(CFDT)に関連するファイルのレコード・キーの長さを返します。

    MAXNUMRECS

    ファイルのデータ・テーブルに保存できる最大のレコード数を返します。

    NEXT

    INQUIREコマンドを繰り返し実行します。1つのリソース定義が返されます。

    OPENSTATUS

    ファイルの開閉状態、処理状態を返します。

    READ

    ファイル・レコードを照会できるかどうかを返します。

    RECORDFORMAT

    ファイル・レコード形式を返します。

    RECORDSIZE

    固定長レコードの実際のサイズ、または可変長レコードの最大長を返します。

    REMOTENAME

    REMOTESYSTEMオプションで指定されたOSCリージョンのファイルの8文字を返します。

    REMOTESYSTEM

    OSCリージョンの4文字の名前を返します。

    START

    ブラウジングを開始します。

    UPDATE

    ファイルをアップデートできるかどうかを返します。

    ACCESSMETHOD、BASEDSNAME、BLOCKFORMAT、BLOCKKEYLEN、BLOCKSIZE、CFDTPOOL、CHANGEAGENT、CHANGEAGREL、CHANGETIME、CHANGEUSRID、DEFINESOURCE、DEFINETIME、DISPOSITION、EMPTYSTATUS、EXCLUSIVE、FWDRECSTATUS、INSTALLAGENT、INSTALLTIME、INSTALLUSRID、JOURNALNUM、KEYPOSITION、LOADTYPE、LSRPOOLNUM、OBJECT、RBATYPE、READINTEG、RECOVSTATUS、RELTYPE、REMOTETABLE、RLSACCESS、STRINGS、TABLE、TABLENAME、TYPE、UPDATEMODELオプションはサポートしていません。

2.4. READ

データセットの特定レコードを読み込みます。

  • 構文

    EXEC CICS READ [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    EQUAL

    レコードを検索するときにRIDFLD値と等しいレコードのみ読み込むようにします。

    FILE

    読み込むファイル名を指定します。

    GENERIC

    KEYLENGTHオプションに表示されている値がGENERICキーであるかを指定します。

    GTEQ

    レコードを検索するときにRIDFLD値と等しいか大きい値を持つレコードを読み込みます。

    INTO

    取得するデータの保存領域を指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    LENGTH

    読み込むレコード・バッファー(INTOオプションに指定)のデータ長を指定します。

    SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。

    NOSUSPEND

    レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    RIDFLD

    読み込むレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • ESDS : RBA値

    • RRDS : RRN値

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SET

    取得するデータが保存された場所のポインター参照を指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

    TOKEN

    READ UPDATEの固有の識別子を返します。

    UPDATE

    レコードの変更または削除のためのロックを指定します。

    DEBKEY、DEBRECオプションは構文解析のみサポートしています。

2.5. READNEXT

順次検索中に次のレコードを読み込みます。すでにSTARTBRコマンドで順次検索を開始したファイルである必要があります。

  • 構文

    EXEC CICS READNEXT [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    読み込むファイルの名前を指定します。

    INTO

    取得するデータの保存領域を指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    LENGTH

    読み込むレコード・バッファー(INTOオプションに指定)のデータ長を指定します。

    SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。

    NOSUSPEND

    レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。

    RIDFLD

    読み込むレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • ESDS : RBA値

    • RRDS : RRN値

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    REQID

    STARTBRから取得した順次検索要求IDを指定します。

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SET

    取得するデータが保存された場所のポインター参照を指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

    TOKEN

    READ UPDATEに対する固有の識別子を返します。

    UPDATE

    レコードの変更または削除のためのロックを指定します。

2.6. READPREV

順次検索中に前のレコードを読み込みます。すでにSTARTBRコマンドで順次検索を開始したファイルである必要があります。

  • 構文

    EXEC CICS READPREV [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    読み込むファイルの名前を指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    INTO

    取得するデータの保存領域を指定します。

    LENGTH

    読み込むレコード・バッファー(INTOオプションに指定)のデータ長を指定します。

    SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。

    NOSUSPEND

    レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    REQID

    STARTBRから取得した順次検索要求IDを指定します。

    RIDFLD

    読み込むレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • ESDS : RBA値

    • RRDS : RRN値

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SET

    取得するデータが保存されている場所のポインター参照を指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

    TOKEN

    READ UPDATEに対する固有の識別子を返します。

    UPDATE

    レコードの変更または削除のためのロックを指定します。

2.7. RESETBR

順次検索の位置を再設定するコマンドです。再設定するファイルはSTARTBRコマンドで順次検索を開始したファイルである必要があります。

  • 構文

    EXEC CICS RESETBR [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    EQUAL

    RIDFLD値と等しいレコードに新しい位置を指定します。

    FILE

    順次検索の位置を再設定するファイルの名前を指定します。

    GENERIC

    KEYLENGTHオプションに表示された値がGENERICキーであるかを指定します。

    GTEQ

    RIDFLD値と等しいか大きい値を持つレコードの新しい位置を指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    REQID

    STARTBRから取得した順次検索要求IDを指定します。

    RIDFLD

    指定するレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • ESDS : RBA値

    • RRDS : RRN値

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

2.8. REWRITE

レコードを変更します。REWRITEコマンドを実行する前に、READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションを使って読み込んだレコードに限って変更できます。

  • 構文

    EXEC CICS REWRITE [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    レコードを変更するファイルの名前を指定します。

    FROM

    記録するレコードのデータを指定します。

    LENGTH

    記録するレコードの長さを指定します。

    SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。

    NOSUSPEND

    レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

    TOKEN

    READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションで取得したトークン値を指定します。

2.9. SET FILE

SET FILEコマンドを使ってOSCアプリケーション・サーバーが使用するファイルの状態および属性を変更できます。特定ファイルを開いたり閉じたりすることや、プログラムでファイルを有効または無効にすることができます。また、ファイル属性の変更が可能です。

  • 構文

    EXEC CICS SET FILE [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    ADD

    ファイルにレコードを追加できるかどうかを指定します。

    ADDABLE

    ファイルにレコードを追加できるように設定します。

    BROWSABLE

    ファイルを閲覧できるように設定します。

    BROWSE

    ファイルを閲覧できるかどうかを指定します。

    CFTABLE

    ファイル名はカップリング・ファシリティ・データ・テーブル(CFDT)を示します。

    CICSTABLE

    ファイル名は保守データ・テーブルを示します。

    CLOSED

    ファイルを閉じます。

    CONSISTENT

    読み取り整合性レベルを「CONSISTENT」に指定します。

    DELETE

    ファイル・レコードを削除できるかどうかを指定します。

    DELETABLE

    ファイル・レコードを削除できるように設定します。

    DISABLED

    ファイルを使用できない状態に変更します。

    DSNAME

    ファイルに使用されるデータセット名を指定します。

    EMPTYREQ

    データセットが「REUSABLE」に定義されている場合、データセットを参照するファイルが非RLSモードで開かれた際にデータセットが空の状態で開かれるように設定します。

    EXCTL

    アップデートのために読み取りが実行される際に、ファイルの記録を完全に制御します。

    ENABLESTATUS

    ファイルを使用できる状態または使用できない状態に変更します。

    ENABLED

    ファイルを使用できる状態に変更します。

    FILE

    状態および属性を変更するファイルの名前を指定します。

    FORCE

    ファイルを使用するすべてのタスクが異常終了し、ファイルは即時DISABLEDまたはCLOSED状態になります。制御権はアプリケーション・プログラムに戻ります。

    KEYLENGTH

    カップリング・ファシリティ・データ・テーブルにあるレコードのキー長をフルワード2進数で指定します。値は1~16の範囲であり、キー長を削除するには、KEYLENGTH(0)に設定します。

    LOAD

    ソース・データセットを使用する前にカップリング・ファシリティ・データ・テーブルを呼び出します。

    NOLOAD

    ソース・データセットを使用する前にカップリング・ファシリティ・データ・テーブルを呼び出しません。

    MAXNUMRECS

    データ・テーブルが保持できる最大のレコード数をフルワード2進数で指定します。値は1~99999999の範囲であり、制限をなくすには、MAXNUMRECS(0)に設定します。

    NOEMPTYREQ

    データセットが「REUSABLE」に定義されていても、データセットを参照するファイルを開く際に空になるように設定しません。

    NOEXCTL

    アップデートのために読み取りが実行される際に、ファイルの記録を完全に制御しません。

    NOTADDABLE

    ファイルにレコードを追加できないように設定します。

    NOTBROWSABLE

    ファイルを閲覧できないように設定します。

    NOTDELETABLE

    ファイル・レコードを削除できないように設定します。

    NOTREADABLE

    ファイル・レコードを照会できないように設定します。

    NOTRLS

    次回ファイルを開く際にLSRまたはNSRモードで開きます。

    NOTTABLE

    ファイル名がデータ・テーブルを示しません。

    NOTUPDATABLE

    ファイル・レコードを更新できないように設定します。

    NOWAIT

    SET要求が待機されたら直ちにアプリケーション・プログラムに制御権を返すことを除いてはWAITと同じです。

    OLD

    SET FILE DISPOSITIONコマンドを実行時にファイルが開いている場合、DISPOSITION値を「OLD」に置き換えます。

    OPENSTATUS

    ファイルを開いたり閉じたりします。

    OPEN

    ファイルを開きます。

    READ

    ファイル・レコードを照会できるかどうかを指定します。

    RECORDSIZE

    カップリング・ファシリティ・データ・テーブルの最大レコードをフルワード2進数で指定します。値は1~32767の範囲であり、以前定義された値を削除するには、レコードのサイズを0に設定します。

    RLS

    次回ファイルを開く際にRLSアクセス・モードで開きます。

    READABLE

    ファイル・レコードを照会できるように設定します。

    REPEATABLE

    読み取り整合性レベルを「REPEATABLE」に指定します。

    RLSACCESS

    RLSモードでファイルにアクセスするかどうかを指定します。RLSアクセスと非RLSアクセスのいずれかに変更するには、ファイルを閉じてDISABLED状態に設定します。

    SHARE

    SET FILE DISPOSITIONコマンドを実行時にファイルが開いている場合、DISPOSITION値を「SHARE」に置き換えます。

    UNCOMMITTED

    読み取り整合性を使用しないように指定します。

    UPDATE

    ファイル・レコードを更新できるかどうかを指定します。

    WAIT

    ファイルをDISABLEDまたはCLOSEDに設定する前に、ファイルに対するすべての動作が停止するまで待機します。(デフォルト値: WAIT)

    1. BUSY、DATASET、CFDTPOOL、DISPOSITION、OBJECTNAME、EMPTYSTATUS、EXCLUSIVE、LOADTYPE、LSRPOOLNUM、READINTEG、READINTEG、STRINGS、TABLE、TABLENAMEオプションはサポートしていません。

    2. CONTENTION、END、LOCKING、NEXT、START、UPDATABLE、UPDATEMODELオプションは構文解析のみサポートしています。

    3. SET FILEコマンド以外に、BATCHのMTPBATCHの次のコマンドを使用してファイルの状態とパーミッションを変更することもできます。(CLOS <ファイル名>、OPEN <ファイル名>も可能)

    CEMT SET FI<ファイル名> DISABLED CLOSED | ENABLE OPEN
    CEMT SET FI<ファイル名> [READ | NOREAD] [UPDATE | NOUPDATE] [ADDABLE | NOADDABLE] [BROWSE | NOBROWSE] [DELETE | NODELETE]

2.10. STARTBR

順番にデータセット・レコードを読み込むとき、最初に読み込むレコードの位置を指定します。

  • 構文

    EXEC CICS STARTBR [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    EQUAL

    RIDFLD値と等しいレコードの最初の順次検索の位置を指定します。

    FILE

    順次検索するファイルの名前を指定します。

    GENERIC

    KEYLENGTHオプションに表示された値がGENERICキーであるかを指定します。

    GTEQ

    RIDFLD値と等しいか大きい値を持つレコードの最初の順次検索の位置を指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    RIDFLD

    読み込むレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • ESDS : RBA値

    • RRDS : RRN値

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    REQID

    順次検索の要求IDを指定します。

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

    DEBKEY、DEBRECオプションは構文解析のみサポートしています。

2.11. UNLOCK

閲覧および検索コマンドのUPDATEオプションでレコードに実行中のロックを解除します。

READREADNEXTREADPREVコマンドのUPDATEオプションでレコードに実行中のロックを解除します。直接UNLOCKコマンドを要求しなくても、SYNCPOINTコマンドが実行される際やタスクが終了する際にロックが自動で解除されます。

  • 構文

    EXEC CICS UNLOCK [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    レコードを削除するファイルの名前を指定します。

    TOKEN

    READ、READNEXT、READPREVコマンドのUPDATEオプションで取得したトークン値を指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

2.12. WRITE

レコードを追加します。

  • 構文

    EXEC CICS WRITE [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    FILE

    レコードを追加するファイルの名前を指定します。

    FROM

    記録するレコードのデータを指定します。

    KEYLENGTH

    キーの長さを指定します。(KSDSの場合のみ有効)

    LENGTH

    記録するレコードの長さを指定します。

    SYSIDオプションが指定されている場合、このオプションの指定は必須です。ファイルがリモート・システムに存在する場合にLENGTHオプションを指定しないと、FILEリソース定義のRECORDSIZE値の分だけ読み取ります。

    MASSINSERT

    MASSINSERTの一部としてレコードを記録するかを指定します。

    NOSUSPEND

    レコードがデッドロックのためにロックされている場合や、VSAMによってアクティブ・ロックがかかっている場合、要求は待機しません。

    RBA

    RIDFLDオプションに指定した値がRBAであるかを指定します。

    RIDFLD

    指定するレコードの識別フィールドを指定します。

    • KSDS : レコードのキー

    • ESDS : RBA値

    • RRDS : RRN値

    RRN

    RIDFLDオプションに指定した値がRRNであるかを指定します。

    SYSID

    リモート・システムのSYSIDを指定します。

3. 名前付きカウンター・サーバー

名前付きカウンター・サーバー(Named Counter Server : 以下、NCS)は、ユーザーが指定した名前で生成されたカウンターから値を取得する機能を提供します。ユーザー値を取得するたびにそのカウンター値が1つずつ増加する機能を提供し、その他に、コマンドやオプションによる最小値、最大値、増加値の設定、カウンターの再設定および削除など、多様な機能を提供します。

OSCアプリケーション・サーバーは2種類のカウンター(COUNTER、DCOUTNER)をサポートします。COUNTERはカウンター値として符号付きフルワード・バイナリ(fullword signed binary values)形式をサポートし、DCOUNTERは符号なしダブルワード・バイナリ(doubleword unsigned binary values)形式をサポートします。COUNTER、DCOUNTERの両方とも、コマンド・レベルにおける使用方法は同じです。ただし、特定タイプで生成されたカウンターには同じタイプのカウンター・コマンドを使ってのみアクセスできます。

カウンター・アクセス・コマンド

以下は、カウンター・アクセス・コマンドの一覧です。アプリケーション・プログラムは、以下のコマンドを使ってNCSにアクセスできます。各コマンドの詳細については該当する節を参照してください。

コマンド 説明

DEFINE COUNTER|DCOUNTER

カウンターを作成します。

DELETE COUNTER|DCOUNTER

カウンターを削除します。

GET COUNTER|DCOUNTER

カウンターの次の値を取得します。

QUERY COUNTER|DCOUNTER

カウンター情報を取得します。

REWIND COUNTER|DCOUNTER

最大値に達したカウンターを元に戻します。

UPDATE COUNTER|DCOUNTER

カウンターの現在の値をアップデートします。

3.1. DEFINE COUNTER|DCOUNTER

カウンターを作成します。

  • 構文

    EXEC CICS DEFINE COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    COUNTER|DCOUNTER

    生成するカウンターの名前を指定します。

    MINIMUM

    カウンターの最小値を指定します。

    MAXIMUM

    カウンターの最大値を指定します。

    POOL

    使用するプール名を指定します。

    VALUE

    生成するカウンターの初期値を指定します。

3.2. DELETE COUNTER|DCOUNTER

カウンターを削除します。

  • 構文

    EXEC CICS DELETE COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    COUNTER|DCOUNTER

    削除するカウンターの名前を指定します。

    POOL

    カウンターが存在するプール名を指定します。

3.3. GET COUNTER|DCOUNTER

カウンターの次の値を取得します。

  • 構文

    EXEC CICS GET COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    COMPAREMAX

    カウンターから取得する値が現在指定されている値以下の場合に取得します。

    COMPAREMIN

    カウンターから取得する値が現在指定されている値以上の場合に取得します。

    COUNTER|DCOUNTER

    値を取得するカウンターの名前を指定します。

    INCREMENT

    値を取得した後のカウンターの増加値を指定します。

    POOL

    カウンターが存在するプール名を指定します。

    REDUCE

    カウンター値を減少させます。

    VALUE

    取得した値を保存する変数を指定します。

    WRAP

    カウンターが制限値に達すると自動で戻します。

3.4. QUERY COUNTER|DCOUNTER

カウンター情報を取得します。

  • 構文

    EXEC CICS QUERY COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    COUNTER|DCOUNTER

    カウンターの名前を指定します。

    MAXIMUM

    カウンターの最大値を取得します。

    MINIMUM

    カウンターの最小値を取得します。

    POOL

    カウンターが存在するプール名を指定します。

    VALUE

    現在の値を取得します。

3.5. REWIND COUNTER|DCOUNTER

最大値に達したカウンターを元に戻します。

  • 構文

    EXEC CICS REWIND COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    COUNTER|DCOUNTER

    カウンターの名前を指定します。

    INCREMENT

    カウンターが最大値に達したかを確認するために使用する増加値を指定します。

    POOL

    カウンターが存在するプール名を指定します。

3.6. UPDATE COUNTER|DCOUNTER

カウンターの現在の値をアップデートします。

  • 構文

    EXEC CICS UPDATE COUNTER|DCOUNTER [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    COMPAREMAX

    現在設定されている値以下の場合のみアップデートします。

    COMPAREMIN

    現在設定されている値以上の場合のみアップデートします。

    COUNTER|DCOUNTER

    カウンターの名前を指定します。

    POOL

    カウンターが存在するプール名を指定します。

    VALUE

    新しく設定する値を指定します。

4. DB2セッションの確認

OSCサーバーと通信するデータベースとしてDB2とセッションを確立した場合に、必要なリソースと設定を確認する機能を提供します。

DB2CONNコマンド

以下は、DB2のセッション情報を確認するコマンドの一覧です。アプリケーション・プログラムは、以下のコマンドを使ってDB2のセッション情報を取得することができます。各コマンドの詳細については該当する節を参照してください。

コマンド 説明

INQUIRE DB2CONN

DB2のセッション情報を確認します。

4.1. INQUIRE DB2CONN

DB2のセッション情報を確認します。

  • 構文

    EXEC CICS INQUIRE DB2CONN [option …] END-EXEC.
  • オプション

    オプション 説明

    DB2ID

    OpenFrame環境設定のosc.{servername}サブジェクトのDB2CONNセクションのDB2IDキー値を取得します。

    osc.{servername}サブジェクトの設定方法については、OpenFrame OSC『環境設定ガイド』を参照してください。