トラブルシューティング
本章では、OpenFrame OSCのインストール時に頻繁に発生するエラーのタイプとその解決方法について説明します。
1. 概要
OSCのインストール時に発生するエラーは、次の3つの方法で確認できます。
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${OPENFRAME_HOME}/UninstallerData/log/install_OSC.logファイルをテキスト・エディターで直接開いて確認します。
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OpenFrameのインストール後、手動でスクリプトを実行する際に記録されるエラー・ログを確認します。
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OpenFrameの起動を確認する際に表示されるサーバー状態のログ情報を確認します。
2. エラーのタイプと解決方法
正しくないインストール・プロパティ・ファイルのため、OpenFrameのインストール時に頻繁に発生するエラーのタイプと解決方法について説明します。
2.1. ライセンス・ファイル
ライセンス・ファイルが存在しないか破損した場合、またはライセンスが期限切れになった場合、以下のようなエラーが発生します。
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エラーのタイプ
OpenFrameの起動時に該当のモジュール・サーバーを正常に実行できません。tmadminを使用してサーバーの状態を確認するとNRDYが表示されます。サーバーが正しく実行されていることを確認するには、tmadminツールを実行した後、siコマンドを実行します。詳細については、インストールの確認を参照してください。
たとえば、OSCのアプリケーション・サーバーのライセンス・ファイルであるlicosc.datに問題が発生すると、アプリケーション・サーバーが正しく実行されません。アプリケーション・サーバー名がOSCOIVP1の場合、${OPENFRAME_HOME}/log/tmax/ulogディレクトリのOSCOIVP1_ TCL1MMDDYYYY.errログ・ファイルで以下のようなエラーを確認することができます。
以下の例は、ライセンス・ファイルが存在しない場合です。
191516 U CHK0001 /home/oframe/OpenFrame/license/licosc.dat file open fail: 2 (I) SVR3016 SVR OSCOIVP1 (19/51) tpsvrinit fail. [SVR0027]
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解決方法
ライセンス問題については、ティーマックスソフトの技術サポート・チームまでお問い合わせください。
2.2. 共有メモリ
共有メモリのキー値が重複する場合、以下のようなエラーが発生します。
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エラーのタイプ
インストール・プロパティ・ファイルに登録した共有メモリのキー値が、他のユーザーやプログラムで使用中のキー値と重複している場合、その共有メモリを使用するOpenFrameのアプリケーション・サーバーは正常に起動されません。
そのとき、tmadminツールを使用してサーバーの状態を確認すると、NRDYと表示されていることを確認できます。
以下は、共有メモリのキー値が重複している場合、oscbootを実行すると発生するエラー・メッセージです。
OSCBOOT : OSC RTSD loading(OSCOIVP1) [fail] OSCBOOT : OSC Region(OSCOIVP1) [fail] OSCBOOT : cics_ctrl_boot(region=OSCOIVP1)=-53017 error
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解決方法
oferrorツールを使用して、エラーコードが発生した共有メモリを確認します。インストール・プロパティ・ファイルに登録した共有メモリのキー値を修正して再インストールするか、${OPENFRAME_HOME}/configディレクトリに存在する環境設定ファイルの値を修正してから再起動します。
2.3. セキュリティ・モジュール
以下は、セキュリティ・モジュールがライブラリへのアクセスを拒否する場合についての説明です。
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エラーのタイプ
Linuxのセキュリティ・モジュールであるSELinuxを使用する一部のLinuxシステムでは、SELinuxのセキュリティ・ポリシー上、一部のライブラリへのアクセスを拒否し、以下のようなエラーが発生することがあります。
“cannot restore segment prot after reloc: Permission denied”
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解決方法
以下の2つの方法で問題を解決することができます。
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アクセス拒否が発生したライブラリに対して、次のようにchconコマンドを実行します。ライブラリによっては、スーパー・ユーザー権限が必要な場合もあります。
chcon -t texrel_shlib_t [soライブラリ]
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スーパー・ユーザーで接続した後、次のように/etc/sysconfig/selinuxファイルを修正して、SELInuxを無効にします。ただし、この方法はセキュリティ・ポリシーを弱めることがあるのでお勧めしません。
SELINUX=disabled
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2.4. VTAMデータベース・テーブル
VTAMデータベース・テーブルが事前に作成されていない場合、以下のようなエラーが発生します。
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エラーのタイプ
OSCを起動するには、事前にVTAMデータベース・テーブルが作成されている必要があります。そうでない場合は、リージョンの起動時に次のようなエラーメッセージが出力されます。
OSCBOOT : vtam_appl_register_region() failed: rc(-109922), region(OSCOIVP1)
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解決方法
VTAMデータベース・テーブルが正しく作成されているか確認します。
VTAMデータベース・テーブルは、baseinitツールの実行時に作成されます。詳細については、OpenFrame Base『ツールリファレンスガイド』を参照してください。