インストールの確認

本章では、COBOLコンパイラーを利用してOpenFrame OSCをインストールする際に、OSCが正しくインストールされていることを確認するツールであるOIVPの使用方法について説明します。

1. 概要

OIVP(OSC Installation Verification Procedure)は、OSCのインストール・プロセスにおいてシステムが正しく構築され、基本的な機能が正しく動作するかを検証するために開発されたツールです。従来は、システムに問題が発生した場合、管理者がすべての設定を直接確認する必要がありましたが、OIVPを使用することでより直観的かつ簡単に問題点を確認することができます。

2. OIVP

OIVPは、OSCインストーラーによってデフォルトでインストールされます。関連のサンプル・ファイルは、${OPENFRAME_HOME}/osc/oivpに格納されています。

以下では、OIVPのリージョンを設定し、アプリケーションを登録して、OSCが提供するリソースとコマンドを検証する方法を説明します。

2.1. リージョンの設定

リージョンを設定するには、サーバー・バイナリを準備し、アプリケーションで使用されるデータセットを作成し、基本リソースとユーザー・リソースを登録します。現在はインストーラーによって自動的にインストールされます。

以下は、リージョンを設定する方法です。

  1. サーバー・バイナリの準備

    oscbuildツールを使用してサーバー・バイナリを作成します。

  2. データセットとファイル・リソースの作成

    アプリケーション・サーバーに定義されているデータセットを事前に作成する必要があります。OSC SDテーブル、TDQテーブル、TSQテーブルを作成します。また、OIVPが使用するFILEリソースも作成します。

  3. リソースの登録

    oscsdgenツールを使用して、アプリケーション・サーバーとOIVPが使用する基本リソースをOSC SDに登録します。当該リソースが定義されたマクロ・ファイルは、${OPENFRAME_HOME}/osc/resourceと${OPENFRAME_HOME}/osc/oivp/resourceディレクトリに格納されています。

  1. リージョンの設定についての詳細は、OpenFrame OSC『管理者ガイド』の「OSCリージョンの設定」を参照してください。

  2. リージョンの設定に必要なスクリプトは、${OPENFRAME_HOME}/scriptsを参照してください。

2.2. アプリケーションの登録

リージョンの設定が完了したら、マップとCOBOLソースコードをコンパイルした後、登録します。

以下の手順に従って、マップとCOBOLソースコードをコンパイルし登録します。現在はインストーラーによって自動的にインストールされます。

  1. マップのコンパイル

    OIVPが使用するマップ・ファイルをコピーしてコンパイルします。現在は、7つのマップ・ファイルを使用しています。

  2. COBOLソースコードのコンパイル

    OIVPが使用するCOBOLソースコードをコピーしてコンパイルします。現在は、8つのCOBOLソースコード を使用しています。

  3. コンパイル結果の配置

    osctdlinitまたはosctdlupdateツールを使用して、OIVPを使用するためにコンパイルの結果を配置します。

  4. OSCシステムとアプリケーション・サーバーの起動

  1. アプリケーションの設定についての詳細は、OpenFrame OSC『管理者ガイド』の「OSCアプリケーション」を参照してください。

  2. アプリケーションの設定に必要なスクリプトは、${OPENFRAME_HOME}/scriptsを参照してください。

2.3. 検証

OIVPは、個人情報を管理するアプリケーションを使用して、OSCが提供するリソースとコマンドを検証します。

以下は、OSCが提供するリソースとコマンドを検証するためOIVPプログラムを呼び出す方法です。

  1. 端末に接続すると、該当のリージョンに接続するようにメッセージが表示されます。OIVPは、OSCOIVP1というリージョンで動作するため、次の方法でリージョンに接続します。

    LOGON APPLID(OSCOIVP1) <ENTER>
    figure ofgw 1
    OpenFrame GWの接続画面
  2. OSCのロゴ画面が表示されたら、Clearキーを入力して空白画面を表示させ、OIVPトランザクションを呼び出します。

    <CLEAR>
    OIVP <ENTER>
    figure ofgw 2
    OIVPトランザクションの呼び出し画面

2.3.1. OIVP画面のキーの機能

以下は、OIVPの各画面で使用されるキーとその機能についての説明です。

キー 機能 適用画面

CLEAR

OIVPの終了

全体

ENTER

続行

全体

PF1

開始画面を表示

全体

PF2

前のページに移動

BROS

PF3

次のページに移動

BROS

2.3.2. OIVP画面

以下は、OIVPの開始画面です。

figure oivp 1
OIVPの開始画面

OIVPの画面は、3つの領域で構成されています。

  • 上部

    OpenFrameシステムが提供する日付と時間、端末情報を出力します。

  • 中部

    実際にOIVPアプリケーションが実行される領域です。

  • 下部

    ライセンス情報を表示します。

OIVPには、5つのメニュー(BROS、INQR、INSR、UPDT、DELT)があります。各メニューにアクセスするには、コード、またはコードとIDを入力します。

  1. 無効なIDを入力すると、開始画面でエラーが発生します。

  2. BROS、INQR、UPDT、DELTメニューは、ファイルにレコードがない場合は実行できないので、INSRメニューを使用して事前にレコードを入力する必要があります。

  • BROS画面

    BROSメニューは、ファイルに保存されているすべてのレコードを表示します。1つの画面に5つのレコードが表示されます。

    figure oivp 2
    OIVPのBROS画面
  • INQR画面

    INQRメニューは、ファイルに保存されている特定のレコードを表示します。

    figure oivp 3
    OIVPのINQR画面
  • INSR画面

    INSRメニューでは、新しいレコード値を入力できます。「ID」はOSCの名前付きカウンターによって自動的に発行されます。ただし、「NAME」「DEPT」の入力は必須であるため、直接入力する必要があります。レコードの各フィールドは、「NAME」(10)、「DEPT」(15)、「PHONE」(15)、「EMAIL」(20)、「ADDRESS」(40)で構成されます。各フィールドには長さの制限があるので注意が必要です。

    figure oivp 4
    OIVPのINSR画面
  • UPDT画面

    UPDTメニューでは、既存のレコードを修正できます。

    figure oivp 5
    OIVPのUPDT画面
  • DELT画面

    DELTメニューでは、既存のレコードを削除できます。

    figure oivp 6
    OIVPのDELT画面
  • QUIT画面

    QUIT画面は、OSC OIVPの終了画面です。終了画面が表示された後、ISSUE DISCONNECTが実行され、OpenFrame GW画面に戻ります。

    figure oivp 7
    OIVPのQUIT画面
    figure oivp 8
    ISSUE DISCONNECTされた後のOpenFrame GW画面

2.3.3. 検証済みのリソース別コマンド

以下は、OIVPツールによって検証された各リソースのコマンドのリストです。

リソース コマンド

File

WRITE

REWRITE

READ

DELETE

STARTBR

ENDBR

READNEXT

READPREV

TDQ

WRITEQ TD

READQ TD

DELETEQ TD

TSQ

WRITEQ TS

READQ TS

DELETEQ TS

名前付きカウンター

DEFINE COUNTER

DELETE COUNTER

GET COUNTER

QUERY COUNTER

その他

START

LINK

RETURN

ENQ

DEQ

ISSUE DISCONNECT

SEND MAP

RECEIVE MAP

SEND TEXT

ASKTIME

DELAY

FORMATTIME

SYNCPOINT

RETRIEVE