OpenFrame CTGの紹介

本章では、OpenFrame CTGを実行するためにリソース・アダプターを構成する方法および環境設定方法について説明します。

1. 概要

OpenFrame OSCは、OSCアプリケーション・サーバーが管理するプログラムを外部から実行できるOpenFrame CTG(CICS Transaction Gateway)プログラムを提供します。

OpenFrame CTGは、OpenFrameのトランザクションを呼び出すためのAPIであるECI(External Call Interface)を提供します。OpenFrameがサポートしていない外部アプリケーション・プログラムは、ECIを利用してOpenFrame OSCリージョンのリソースとして登録されたプログラム(COBOL、PL/I)を呼び出します。

本章では、JCA準拠のOpenFrame CTGの動作プロセスと環境設定について説明します。OpenFrame CTGは、J2EE Connector Architecture(J2CA)仕様に基づいたリソース・アダプターとして機能するライブラリ・パッケージです。

2. OpenFrame CTGの動作プロセス

以下の図は、OpenFrame CTGを使用してアプリケーションとOSCリージョン間のデータを処理するプロセスを示しています。

figure ctg architecture
OpenFrame CTGのデータ処理プロセス
  1. WAS(Web Application Server)上で実行されるJavaアプリケーション・プログラムが、ECIインターフェースを介してOIVPECITプログラムの実行を要求します。

  2. OFCTG(OpenFrame CTG)を使用するために、Webアプリケーション・サーバーのベンダー固有の設定とJCA設定を行います。詳細については、リソース・アダプターの構成を参照してください。

  3. 要求を受けたOSCリージョンは、CPMIデフォルト・トランザクションを実行します。

  4. トランザクションに該当するDFHMIRSプログラムが実行されます。

  5. DFHMIRSプログラムは、要求されたOIVPECITプログラムをリンクを使用して呼び出し、COMMAREAを渡します。

  6. OIVPECITプログラムは、データベースにアクセスして必要なデータを取得します。

  7. データをCOMMAREAに保存して返すと、クライアントにCOMMAREAのデータと戻り値が返されます。

3. リソース・アダプターの構成

OpenFrame CTGを使用するには、まずリソース・アダプターを構成する必要があります。リソース・アダプターには、Webアプリケーション・サーバーのベンダー固有の設定とJCA設定を行います。

com.tmax.ofctg.connector.cicsパッケージ・クラスを利用する場合は、ra.xmlファイルにリソース・アダプターに設定可能な名前とタイプを設定する必要があります。ra.xmlの設定例は、リソース・アダプター設定ファイルを参照してください。

以下は、リソース・アダプターの設定項目についての説明です。

プロパティ名 プロパティ・タイプ プロパティ値

backup

java.lang.String

OSCサーバーのバックアップ・ホスト・アドレスを指定します。

backup_port

java.lang.Integer

OSCサーバーのバックアップ・ホストのポート番号を指定します。support_xaをtrueに指定した場合は、OSCのTmax環境設定に定義されたJEUSGWポート番号を指定する必要があります。

connectionName

java.lang.String

ロギングなどの際に内部で使用される接続名を指定します。

connectionTimeout

java.lang.Integer

OSCサーバーへの接続タイムアウトを指定します。

(単位: 秒)

encryption

java.lang.Boolean

暗号化するかどうかを指定します。

TmaxPortで接続する場合にのみ使用できます。この場合は、support_xaをfalseに指定してください。XAを使用するためにJEUSGWと通信する場合には使用できません。

headerType

java.lang.String

OpenFrame CTGがOSCサーバーと通信時に使用するプロトコルを指定します。現在は、extendedV4のみサポートしています。

host

java.lang.String

OSCサーバーのホスト・アドレスを指定します。

host_port

java.lang.Integer

OSCサーバーのホストのポート番号を指定します。support_xaをtrueに指定した場合は、OSCのTmax環境設定に定義されたJEUSGWポート番号を指定する必要があります。

logBufSize

java.lang.Integer

OpenFrame CTGがログを記録時に使用するバッファーのサイズです。ログ・サイズが設定値に達すると、ファイルに記録されます(デフォルト値: 512バイト)。

logDir

java.lang.String

OpenFrame CTGが作成するログ・ファイルを保存するパスを指定します。

logFile

java.lang.String

OpenFrame CTGが作成するログ・ファイルの名前を指定します。

logFileFormat

java.lang.String

OpenFrame CTGが作成するログ・ファイル名の後ろに付ける日付の形式を指定します(デフォルト値: MMddyyyy)。

logLevel

java.lang.String

OpenFrame CTGがログを記録時に使用するログ・レベルを指定します。

  • info(デフォルト値)

  • debug : 内部動作をトレースするためのログを出力します。

  • dev : 送信データを含むさまざまなログを記録します。

logValidDays

java.lang.Integer

1を指定します。

regionName

java.lang.String

接続するリージョン名を指定します。

support_xa

java.lang.Boolean

XAをサポートするかどうかを指定します。trueまたはfalseのいずれかを指定します。

tpTimeout

java.lang.Integer

要求に対する応答待ち時間を指定します。

(未指定時のデフォルト値: 60秒)

txHelperClassName

java.lang.String

TransactionManagerを返すトランザクション・ヘルパー・クラス名を指定します。

XAをサポートする場合は、getConnection()の呼び出し時に指定された名前を持つクラスのTransactionManagerにXAResourceを登録(enlist)します。現在は、指定したヘルパー・クラスがgetTransactionManager()を呼び出します。

xidMapperFile

java.lang.String

OpenFrame CTGが使用するXidMapperFileの名前を指定します。

xidMapperFileは、WASのTransactionManagerが提供するXIDと、OSCで使用されるXIDのマッピングおよび決定情報を記録するために使用されます。

xidMapperPath

java.lang.String

XidMapperFileのパスを指定します。

4. OSCサーバーのTmax環境設定

JCAを使用してグローバル・トランザクションを使用するには、OSCサーバーのTmax環境設定ファイルに以下の設定を行う必要があります。

*GATEWAY
JEUSGW       GWTYPE = JEUS, PORTNO = 9000,
             DIRECTION=IN,
             NODENAME = NODE1,
             CLOPT ="-r -h 4 -D 7 -o $(SVR)$(CDATE).out -e $(SVR)$(CDATE).err",
             CPC = 2
項目 説明

GWTYPE

必ず「JEUS」を指定します。WASをリモート・システムとして指定します。Oracle WebLogic、IBM WebSphereなど、JEUS以外のWASで使用する場合にも「JEUS」を指定してください。

PORTNO

ゲートウェイが使用するリッスン・ポート番号を指定します。

DIRECTION

ゲートウェイとWAS間の要求の方向を指定します。

「IN」を指定すると、受信する要求のみ処理できます。

NODENAME

ゲートウェイが実行されるノード名を指定します。Tmax環境設定のNODEセクションに登録された名前を指定します。

MAXINRGW

ゲートウェイに接続できるチャネルの最大数を指定します(デフォルト値:32、最大値:128)。

CLOPT

ゲートウェイが使用するオプションを指定します。

CLOPT = "-r -h <n> -D <n> -o <filename> -e <filename>"
  • -r : OpenFrame CTGとJEUSGW間のトランザクション・リカバリ機能を使用することを指定します。

  • -h <n> : OpenFrame CTGとJEUSGW間の通信プロトコルを指定します。必ず「-h 4」を指定します。リソース・アダプターの設定では、headerType項目をextendedV4に指定します。

  • -D <n> : ゲートウェイのログ・レベルを指定します。

  • -o <filename> : ゲートウェイの標準出力ログを記録するファイルを指定します。

  • -e <filename> : ゲートウェイの標準エラー出力ログを記録するファイルを指定します。

CPC

ゲートウェイとCLH間の並列通信チャネルの数を指定します。

処理量が多くサービスの処理に時間がかかる場合は、複数の通信チャネルを使用して並列で処理することによって、処理速度を向上させます。

Tmax環境設定ファイルについての詳細は、『Tmax 管理者ガイド』の「基本環境設定」を参照してください。