リソース・コントロール表

OSCシステムは、旧バージョンのCICSで使用していたリソース・コントロール表(Resource Control Table)のうち、PLT(Program List Table)とXLT(Transaction List Table)を使用します。マクロの作成ルールに従ってPLTマクロとXLTマクロを作成してください。

1. 作成ルール

リソース・コントロール表は、IBMアセンブラー・マクロ形式であり、IBMアセンブラー・マクロの構文および制約に従います。

以下は、IBMアセンブラー・マクロの構文と制約の外に、リソース・コントロール・マクロを作成するときに守るべきルールです。

  • 名前は最初の列から始めます。

  • コマンドは10列目から始めます。以下は、OSCがサポートするマクロ構文です。

    マクロ 説明

    DFHPLT

    PLTを宣言します。

    DFHXLT

    XLTを宣言します。

  • 各マクロの後ろにはキーワードを指定できます。マクロとキーワードの間を1つのスペースで区切ります。各マクロで使用可能なキーワードの種類については次の節で説明します。

  • 複数のキーワードを指定する場合は、キーワードをコンマ(,)で区切ります。キーワードの間にスペースを入れることはできません。

  • オプションを指定できるキーワードは、キーワードとオプション値を等号(=)でつなぎます。オプション値として複数の属性を指定できる場合は、オプションの先頭と末尾を括弧(())で囲み、各オプションはコンマで区切ります。オプションの間にもスペースは挿入できません。

  • キーワードは71列目まで作成できます。71列目を超える場合は行を分割できます。行を分割するときは、キーワードを区切るコンマ(,)を基準にし、次の行に続くことを示すために72列目にスペース以外の文字を入力します。次の行に続けて作成するときは、16列目から残りの部分を続けて作成します。

  • 初期値を入力するときは、初期値の開始と終了を引用符(' ')で囲みます。初期値に引用符が使用される必要がある場合は、2つの引用符を使用します(1つはマップ・コンパイラーが削除します)。

  • 括弧(())も、マップ・コンパイラーによって削除されるため、表示する必要がある場合は、2つの括弧を使用します。

  • 1行をコメントとして処理したい場合は、1列目にアスタリスク(*)を使用します。これにより、2列目から71列目までをユーザー・コメントとして使用できます。

  • 初期値を除いたすべてのキーワードとオプション値には大文字のみ使用できます。

2. PLTマクロ(DFHPLT)

DFHPLTは、PLT(Program List Table)を構成するフィールドを定義するマクロです。DFHPLTマクロには以下のキーワードを指定できます。

  • マクロの開始位置を示します。

    TYPE=INITIAL

    以下のオプションを指定できます。

    オプション 内容

    SUFFIX

    特定のリソース・コントロール表を区別するためのSUFFIX文字列を2文字で指定します。

  • 1つまたは複数のプログラムが記述されていることを示します。

    TYPE=ENTRY

    以下のオプションを指定できます。

    オプション 内容

    PROGRAM

    プログラムの名前を指定します。

    プログラム名は最大8文字であり、各プログラムはOSC SDに定義されている必要があります。プログラム名は、コンマ(,)で区切って複数指定することができます。

    PROGRAMをDFHDELIMに設定する場合は、PLTの実行段階を区分するための区切り子の機能のみ行います。すべてのプログラムはPROGRAMリソース定義を登録する必要があります。

  • マクロの終了位置を示します。

    TYPE=FINAL
  • PLTマクロ・ファイルの例

    以下はPLTマクロの例です。OSCリージョンの起動または終了の際に実行されるプログラムを指定します。第1段階でTRAQA、TRAQB、TRAQCの3つのプログラムを実行し、第2段階ではTRASA、TRASB、TRASCの3つのプログラムを実行するように定義しています。

    DFHPLT TYPE=INITIAL,SUFFIX=PI
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=TRAQA
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=TRAQB
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=TRAQC
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=DFHDELIM
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=TRASA
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=TRASB
    DFHPLT TYPE=ENTRY,PROGRAM=TRASC
    DFHPLT TYPE=FINAL
    END

3. XLTマクロ(DFHXLT)

DFHXLTは、XLT(Transaction List Table)を構成するフィールドを定義するマクロです。DFHXLTマクロには以下のキーワードを指定できます。

  • マクロの開始位置を示します。

    TYPE=INITIAL

    以下のオプションを指定できます。

    オプション 内容

    SUFFIX

    特定のリソース・コントロール表を区別するためのSUFFIX文字列を2文字で指定します。

  • 1つまたは複数のトランザクションが記述されていることを示します。

    TYPE=ENTRY

    以下のオプションを指定できます。

    オプション 内容

    TRANSID

    トランザクション名を指定します。

    トランザクション名は最大4文字であり、各トランザクションはOSC SDに定義されている必要があります。トランザクション名は、コンマ(,)で区切って複数指定することができます。ただし、トランザクション名に特殊文字が使用された場合には、1つのENTRYに1つのトランザクション名のみ指定でき、引用符を使用して「'A,01'」のように記述します。

  • マクロの終了位置を示します。

    TYPE=FINAL
  • XLTマクロ・ファイルの例

    以下は、XLTマクロの例です。OSCリージョンの終了時に端末から発生する可能性があるトランザクションには、TSSA、TSRA、TDSA、TDRA、ICSAがあることを定義しています。

    DFHXLT TYPE=INITIAL,SUFFIX=XL
    DFHXLT TYPE=ENTRY,TRANSID=(TSSA,TSRA)
    DFHXLT TYPE=ENTRY,TRANSID=(TDSA,TDRA)
    DFHXLT TYPE=ENTRY,TRANSID=ICSA
    DFHXLT TYPE=FINAL
    END