リソース定義のマイグレーション

OSCシステムは、リソース定義(Resource Definition)を使用します。そのため、旧バージョンのCICSで使用していたリソース・コントロール表(Resource Control Table)をリソース定義に変換する必要があります。OSCは、DCT(Destination Control Table)マクロとJCT(Journal Control Table)マクロをリソース定義に変換するツールを提供します。

本章では、リソース・コントロール表のマイグレーション・ツールについて説明します。

1. DCTマイグレーション(oscdct2rd)

DCT(Destination Control Table)は、TDQを管理するためにTDQ情報を記述するコントロール表です。DCTマクロに記述されているTDQ情報をOSCで使用するには、TDQUEUEリソース定義に変換する必要があります。OSCではoscdct2rdツールを使用してDCTマクロをTDQUEUEリソース定義に変換します。DCTマクロの詳細については、DCTマクロ(DFHDCT)を参照してください。

DCTマクロにはリソースのグループに関する設定がありません。しかし、リソース定義はリソースのGROUP属性が必須なので、次のいずれかの方法でDCTをマイグレーションする際にリソースのグループを指定する必要があります。

  • 以下の形式でDCTマクロのグループを定義します。1つのグループ定義から他のグループ定義が出現するまでに定義されたTDQは同じグループとして定義されます。

    DFHDCT TYPE=GROUP,GROUP=groupname
  • 1つのDCTマクロに定義されているすべてのTDQを同じグループとして指定する場合は、上記の方法の代わりにoscdct2rdツールの[–g]オプションを使用してグループを指定できます。

以下は、oscdct2rdツールを使用してDCTマクロが記述されたファイルをTDQUEUEリソースに変換する例です。変換されたTDQUEUEリソースのグループをOSCGROUPに指定しています。生成されたリソース定義は、oscsdgenツールを使用してOSC SDテーブルに登録します。

oscdct2rd –g OSCGROUP DCT.dat TDQUEUE.dat

2. JCTマイグレーション(oscjct2rd)

JCTは、ジャーナル管理のためにシステム・ログとユーザー・ジャーナルの情報を記述するコントロール表です。JCTマクロに記述されたジャーナル情報をOSCで使用するには、JOURNALMODELリソース定義に変換する必要があります。OSCではoscjct2rdツールを使用してJCTマクロをJOURNALMODEリソース定義に変換します。JCTマクロの詳細については、JCTマクロを参照してください。

JCTマクロにはリソースのグループに関する設定がありません。しかし、リソース定義はリソースのGROUP属性が必須なので、1つのJCTマクロを同じグループとして指定する場合は、oscdct2rdツールの[–g]オプションを使用してグループを指定してください。

以下は、oscjct2rdツールを使用してJCTマクロが記述されているファイルをJOURNALMODELリソースに変換する例です。変換されたJOURNALMODELリソースのグループをOSCGROUPに指定しています。生成されたリソース定義は、oscsdgenツールを使用してOSC SDテーブルに登録します。

oscjct2rd –g OSCGROUP JCT.dat JOURNALMODEL.dat